講談社文庫作品一覧

「政治」の原理「運動」の原理
「政治」の原理「運動」の原理
著:小田 実,装丁:亀倉 雄策,その他:舟橋 菊男
講談社文庫
「人間の重み」を主張し、状況の変革を志す著者が、ベトナム戦争反対運動の中で、形骸化した戦後民主主義を「人民」の民主主義につくり変える運動の過程で、歩き、話し、考えた成果を率直に訴える評論集・第二弾。「原理としての民主主義の復権」「投票者の拒否権」「私のなかの日本人」「福沢諭吉」「折れ目のない歴史」など、1960年代から70年にかけての、「政治」「運動」「文学」にわたる24編。人間の復権をめざして、政治と文学を語る論集。
電子あり
ひとりぼっちの監視哨
ひとりぼっちの監視哨
著:伊藤 桂一,解説:真鍋 元之,その他:亀倉 雄策,装丁:長尾 みのる
講談社文庫
南海の島の監視哨で、たった一人の勤務を続ける上等兵と、脱走兵との心の触れ合いを描いた、表題作。一軍医の敵国人に対する、隔てなき人間的真情が部隊を救った「救援隊、湖畔を行く」など、7編を収録。人と人との暖かいつながりに視点を置いて、ユーモラスな事象を描き、その底に兵隊の深い哀しみを沈潜させた、戦場小説集。
電子あり
執念夫婦添い節
執念夫婦添い節
著:野坂 昭如,解説:小中 陽太郎,その他:亀倉 雄策,装丁:岡田 嘉夫
講談社文庫
漫談家の昇仙にくどかれて夫婦になった福子は、妊娠できない体質だったうえに、女盛りに卵巣を摘出し、ますます夫からの情が薄れていく。そして昇仙は妾をかこい、帰宅するのは月に数回。だが、たまたま帰ったときに、脳溢血で倒れてしまう。福子は、ひもかわまがいとなった昇仙の一物を口にふくみ、ようやく彼が亭主になったという実感を味わうーーという表題作ほか、純情にして猥褻な女と男を描いた傑作5篇。
電子あり
風塵(下)
風塵(下)
著:早乙女 貢,解説:尾崎 秀樹,その他:亀倉 雄策,装丁:熊谷 博人
講談社文庫
武田勝頼の弟・仁科五郎盛信の名を譲りうけた山猫は、戦場を駆けめぐり、城を攻め、名を挙げていった。本能寺の変で信長が倒れたとき、山猫に尾張の太守となる機会が到来した。信長の姪・茶々を嫁にむかえる夢がかなう時だ……。戦国の世に生まれ落ち、その非情な運命と闘い、人生を切り拓いてゆく男の戦国ロマン。
電子あり
豊臣秀吉(四) 異本太閤記
豊臣秀吉(四) 異本太閤記
著:山岡 荘八,その他:亀倉 雄策,装丁:川田 幹
講談社文庫
さよなら子どもの時間
さよなら子どもの時間
著:今江 祥智,解説:桃井 かおり,装丁:亀倉 雄策,装画・その他:宇野 亜喜良
講談社文庫
大家族なのに、家ではいつもひとりぼっちの健。ところが、健が風邪をひいた1週間、毎晩、両親はじめ家族のものが、それぞれとっておきの話をしてくれることになり、健は失われた子どもの時間をまとめてかえされた気になる……。オムニバス形式のファンタジックでリリカルな力作。他に中編「海のおくりもの」を収録。
電子あり
証言・現代音楽の歩み
証言・現代音楽の歩み
著:中島 健蔵,装丁:亀倉 雄策
講談社文庫
かつての極端な貧困を克服して、現代日本の音楽はどのように、世界的水準を獲得するまでに至ったのか。創造こそ芸術の生命とする立場に立ちつつ、時には嘆き時には悲憤慷慨しながら、自ら関わってきた同時代の音楽の足どりと達成を、内側から証言する。資料としての価値も高い記録的回想の書。詳細年表を付す。
電子あり
夢声自伝(下)昭和篇(2)
夢声自伝(下)昭和篇(2)
著:徳川 夢声,解説:戸板 康二,装丁:亀倉 雄策,その他:山内 アキラ
講談社文庫
東京を動けず、空襲にさらされた暗い戦時下に比べ、戦後は、のどかな生活をよみがえらせた。そして、放送の急激な進歩。テレビや民放の登場。得がたいタレントとして、夢声は引っぱりだこになり、多忙をきわめる。他方では海外旅行をし、家族にめぐまれる幸せな人生だった。飄飄たる筆致で70年を語った爽やかな自伝。<全3巻>
電子あり
杉浦明平著作選(上)
杉浦明平著作選(上)
著:杉浦 明平,装丁:亀倉 雄策,装丁:ファイブ・アド
講談社文庫
渥美半島・福江湾のノリ養殖に関して、利権にむらがるブローカー、漁業ボスのあさましい行動。それはやがて不正を生んで、素朴な漁民たちの目を覚まさせた。戦後の民衆運動の典型を、重い視点と深いユーモアで描いた名作「ノリソダ騒動記」のほかに「町会議員一年生」を併録。知性と野性が結実する杉浦文学の秀作選。
電子あり
風塵(上)
風塵(上)
著:早乙女 貢,装丁:亀倉 雄策,装丁:熊谷 博人
講談社文庫
天正10年、織田信長は60余州制覇の駒を進めていた。野望渦まくこの戦国乱世に生み落とされた孤児……山猫。信長の姪・茶々に想いをかけ、一国一城の主となって、茶々を嫁にするという大きな夢に命の炎を燃やす男……山猫。非情な運命に弄ばれながら、逞しく人生を切り拓いてゆく男を痛快に描く、戦国ロマン。
電子あり
播磨灘物語(1)
播磨灘物語(1)
著:司馬 遼太郎
講談社文庫
黒田官兵衛、この戦国末期が生んだ商人的思考の持主。それは既に彼の家系に根づく。官兵衛二十二歳、播州御着城にて一番家老。洗礼名シメオン。のち、如水。本巻は入念に官兵衛の人となりをたどり、播州の小天地で、広大な世界に想いをはせていた一紳士が、愈々織田信長の岐阜へ旅立つあたり迄に関って進む。〈全四巻〉
若い川の流れ
若い川の流れ
著:石坂 洋次郎,装丁:マコ・ナカムラ
講談社文庫
川崎専務から頼まれて専務邸に大きな包みを届けた健助は、その娘・ふさ子に出会った。専務にユーモアのある見合いをさせられたことに気づいた二人は、お互いに好意をもつが前後多難――痛快明朗編。映画化、テレビドラマ化もされた。
電子あり
霧の中の少女
霧の中の少女
著:石坂 洋次郎,装丁:マコ・ナカムラ
講談社文庫
夏休みに旅行中の学友・英吉が、由子の故郷に突然訪ねてきた――。東北の田舎町の風土が滲み出た両親や兄弟の歓迎ぶりに由子は幸せいっぱい……。若者の「性」を霧の中に包んでみせた表題作ほか「危険な年齢」「冬山の幻想」など全6編の短編集。
電子あり
ある日わたしは(2)
ある日わたしは(2)
著:石坂 洋次郎,装丁:マコ・ナカムラ
講談社文庫
大助さん、さようなら!――とゆり子はつぶやいた。恋人・大助の父と結婚前の母との関係を、母の臨終の告白によって、はじめて知ったゆり子は、大助を愛しても結婚はできないと悟ったのだった――。主人公・ゆり子を取り巻く恋愛模様を明るい筆致で描く全2巻・完結編。映画化、テレビドラマ化もされた作品。
電子あり
ある日わたしは(1)
ある日わたしは(1)
著:石坂 洋次郎,装丁:マコ・ナカムラ
講談社文庫
「わたし――白い冷たい雪の中にひとりぼっちでいたとき、もし金子さんが傍にいたら抱いてもらいたいと思ったわ……」とゆり子がいうと、金子はふいに不思議な力でゆり子を抱き、烈しい接吻をした――。主人公・ゆり子を取り巻く様々な恋愛を描く全2巻。映画化、テレビドラマ化もされた作品。
電子あり
女の顔(2)
女の顔(2)
著:石坂 洋次郎,装丁:マコ・ナカムラ
講談社文庫
もし、この人が悪人なら、私も一緒に沈もう。それが私の愛情の運命だから……と、和子の想いはますます募る。感情と本能に支配されやすい女の、ひたむきな愛のはかなさ、もろさを謳いあげる……。全2巻完結編。映画化、テレビドラマ化も。
電子あり
女の顔(1)
女の顔(1)
著:石坂 洋次郎,装丁:マコ・ナカムラ
講談社文庫
「あなたは、ほんとに亡くなった英夫さんに似ています。でもそれだけに坂本先生はあなたにお会いするかどうか……」と和子はこたえながら、恋人だった英夫に生き写しの安雄を見て胸をときめかす……。ひたむきな愛を描く全2巻。映画化、テレビドラマ化も。
電子あり
妖星伝 第二部 外道の巻
妖星伝 第二部 外道の巻
著:半村 良,装丁:亀倉 雄策,装画:横尾 忠則
講談社文庫
鬼道衆をはじめ、田沼意次までがつけ狙う黄金城。そのありかを解くべき絵馬は妖僧日円のふところに入る。日円は鬼道衆の襲撃をかわすのに、時間を停止させる沈時術を駆使した。だが、この怪僧の動きを正確に監視している何者かが存在するのを日円は知らない。退廃に走る江戸の暗黒世界で鬼道は揺れる!
中国笑話集
中国笑話集
編・訳・解説:駒田 信二,装丁:亀倉 雄策,装画:野尻 弘
講談社文庫
電子あり
目こぼし歌こぼし
目こぼし歌こぼし
著:上野 瞭,解説:鶴見 俊輔,装丁:亀倉 雄策,装画:梶山 俊夫
講談社文庫
下級武士の息子・足柄七十郎は、ふとしたことから、城下の居酒屋「とろろ」で起きた、不可解で恐ろしい殺人事件にまきこまれた。事件の渦中におかれ、謎の古地図をふところに、仇討ちに出た七十郎は、藩の非人間的な搾取のからくりを知る――人間が真に人間らしく生きる自由と平等の問題を追求した、意欲的な長編時代小説。
電子あり