新刊書籍
レーベルで絞り込む :

1982.06.11発売
中国怪奇物語 幽霊編
講談社文庫

1982.06.11発売
幸福
講談社文庫
俗な幸福に背を向けて生き出家した著者が、大切な人の死で改めて幸福をとらえ直す文学ーーいつも、幸福とは、折り合いがわるかった。子供、夫を捨て、そして愛人をも、満ち足りた状態の直前で、みずから遠ざけてしまった。出家したいま、かっての愛人の死、自分とは異質の出家願望をもつ他人によって、初めて幸福なるものを考えてみる。幸福と破壊、情熱と静謐、無常などを深い地点でとらえ直した、円熟の文学作品。

1982.06.11発売
眠る盃
講談社文庫
「荒城の月」の「めぐる盃かげさして」の一節を「眠る盃」と覚えてしまった少女時代の回想に、戦前のサラリーマン家庭の暮しの手触りをいきいきと甦らせる表題作をはじめ、片々とした日常から鮮やかな人生を截りとる珠玉の随筆集。知的なユーモアと鋭い感性を内に包んだ温かな人柄が偲ばれるファン待望の書。

1982.06.11発売
獣林寺妖変
講談社文庫
関ケ原合戦のおり、千数百名の軍兵の血を吸って落城した伏見桃山城。その床板を使った洛北の禅寺・獣林寺の血天井を学術調査中、ルミノール鑑定にひときわ青く燃えたって発見された、新しい血の斑痕……歌舞伎の魔に挑み、燃え朽ちていった魂の咆哮を描く表題作のほか、「ニジンスキーの手」「禽獣の門」「殺し蜜狂い蜜」の阿片的魅力の代表作3篇も収めた、伝奇ロマン傑作小説集。

1982.06.11発売
病葉の踊り
講談社文庫
旧満州の曠野に見棄てられ、死を待つばかりの重症結核患者。その幽鬼ただよう悲憤を、反戦の気するどく追求した処女作「北満病棟記」。看護士相手におどける俺を嘲笑う、女の冷やかな眼。肉体に欠陥をもつ男が過去を暴かれ、おのれの全存在を否定される恐怖を描いた表題作。ほかに、「相場師」「天穴は見えず」など7編を収録。

1982.06.11発売
奇妙な愛の物語
講談社文庫
唇はもっと乾いていて、その唾液は陽に暖められた枯草の香りがするにちがいない……。婚約者と唇を重ねながら、婚約者の美しい弟を獲物にしたいと願っている女子学生。しかしその満願の一夜が明けた時、少年は……。夢が壊されてゆく現実社会のそれぞれの場所で、さまざまに営まれる愛の形を感性豊かに捉えた18楽章。

1982.06.08発売
徒然草(四)
講談社学術文庫
兼好は自在に、さまざまの話題にふれ、『徒然草』という独自の世界をくりひろげてきたが、この中で、みずからの行為をあまり語らなかった。しかし、彼は第238段で珍しく自賛のことどもを七つも並べ、第243段では、幼時の体験父とのやりとりを回想してさりげなく筆を置く。余韻の残る閉じ方である。本巻は、第183段から終章までをたどり、作者・作品についての解説、兼好の年譜、参考文献一覧を付す。(全4巻完結)

1982.06.08発売
平家物語(四)
講談社学術文庫
久しく平家の配下にあった源頼政は、平家の権勢下、不遇の地位にある以仁(もちひと)王に、諸国に雌伏する源氏勢を挙げて平家を滅ぼし皇位に即くことをすすめ、ここに平家追討の令旨が発せられる。三井寺に入った以仁王と頼政勢は南都を頼って移動する途上、追撃する平家軍に攻められ宇治ではなばなしい「橋合戦」がくり広げられるが、衆寡敵せず、ついに討たれてこの企ては挫折する。しかし、この挙兵を契機として東国の源氏が決起することとなる。

1982.05.25発売
平清盛
朝廷や貴族につかえる身分の低い武士の子から、太政大臣の位に昇り、平家一門の繁栄をきずいた平清盛。武将としての清盛だけでなく、人間としての清盛にも光をあてて、そのはなやかな生涯を生き生きと描く。
1982.05.21発売
織田信長(三)

1982.05.19発売
私の手が語る
戦後の代表的経営者・本田宗一郎が初めて自ら綴った待望の書!
人間としての哲学やら若き日の秘話やら、本田宗一郎のすべてが躍動し、おもしろさも抜群。
●人間・本田宗一郎
本田宗一郎さんは何事によらず完全燃焼をめざして生き抜いてきた技術人であり、経営人でもある。この姿は、社長の仕事を若い人にゆずって別の世界を歩いている現在も少しも変わらない。その人生を縦横に、味わい深く綴った手づくりの書である。――城山三郎

1982.05.18発売
ムーミンパパの思い出
青い鳥文庫
ムーミンパパが、「思い出の記」を書きました。捨て子だった子ども時代のこと。冒険にあこがれてホームをぬけだしたおそろしい夜のこと。発明家フレドリクソンとの出会い。スナフキンの父ヨクサルとスニフの父ロッドユールの若い日の思い出。そして、かわいいむすめだったムーミンママとの劇的な出会い……。

1982.05.12発売
ばいにんぶるーす
講談社ノベルス

1982.05.12発売
海の日曜日
講談社文庫
銀色に輝やくマリンスノーを一目見て魅せられた三郎。少年の馬への憧れと挫折を描く! ーー目の前に銀色に輝く馬が立っていた。近くの厩舎から逃げ出したらしい。三郎はその馬、マリンスノーを一目見てすっかり魅せられてしまい、ぜひ、自分のものにしたいと心に誓ったが……。少年の馬への強い憧れと挫折をファンタスティクに描いた、今江祥智最初の書き下ろし長編小説。サンケイ児童出版文化賞受賞作品。

1982.05.12発売
おれたちはブルースしか歌わない
講談社文庫

1982.05.12発売
お伽噺殺人事件
講談社文庫
たぬきに天誅! とは、不動産会社の社長邸放火犯が残した貼り紙。そして、仮住まいのテントに浴びせられた汚物……。それが、かちかち山をなぞる手口とわかったとき、事件は恐怖の「泥舟殺人」予告へと変貌した――。日本のお伽噺を現代の寓話におきかえ、残酷で華麗な、7つのトリックの宇宙を創世した、鬼才独創、話題の異色推理連作集。

1982.05.12発売
凶獣の島
講談社文庫
田中光二の新しい衝撃! SF+冒険小説……。狩られるのは誰か? 伊豆沖の無人島でひっそりと催されたゲームのスリルとサスペンスを痛烈なパンチで描く「凶獣の島」。冒険と悲壮美にあふれた釣り物語の「最後の渓谷」など、異常の世界に躍動する爽快さと苦さに満ちた青春を描く8編を収録する傑作短編集。

1982.05.12発売
密航船水安丸
講談社文庫
無償の情熱に生きた、開拓者・アメリカ及甚の劇的生涯! 待つのは栄光か悲惨か? ――1906年・明治39年、及川甚三郎が率いる82人の密航者は、宮城県の荻浜港から、帆船で新天地・カナダへ向かった……。日本人の理想郷をつくるため、あらゆる困難を乗りこえ、勇気と行動力とで、その夢の実現に生涯を賭けた、男及甚を描く長編力作。水安丸を待つのは、栄光か悲惨か?

1982.05.12発売
梅は匂い 人はこころ
講談社文庫
常務の彼を、多くの社員はまだ「英三さん」と呼んだ。経営者の一族でありながら、工場育ちで飾り気のない人柄がそう呼ばせた。戦後、退社を決意していた彼を会社に引き戻したのは、心情を一にしていた部下たちだった。しかし競争激化、新製品開発、流通改革の戦後史は熾烈だった。花王石鹸元社長・伊藤英三を描く傑作評伝小説。逞しくも爽やかな男の一生!
常務の彼を、社員は「英三さん」と呼んだ。経営者一族でありながら、工場育ちで飾り気のない人柄がそう呼ばせた。戦後、退社を決意していた彼を会社に引き戻したのは、心情を一にしていた部下たち。しかし競争激化、新製品開発、流通改革の戦後史は熾烈だった。花王石鹸前社長伊藤英三を描く評伝小説。

1982.05.12発売
世間知らず
講談社文庫
ハイミスほど女を深く知る年代はない、いわば女の分別ざかりだ。熟年の女心を描く秀作ーーこの年代でひとり旅をすると、宿でうさんくさく扱われる。自殺志願か、いや道ならぬ恋の片割れかもしれへんでェ……。若さがいつしかあせた女が独りで生きるとき、彼女は人生をいやというほど知らされる。そして、女の人生の深みを増してゆく。ハイミスは、女の分別ざかり。彼女たちの変幻自在な姿を巧みに描いた秀作集。