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1980.04.10発売
凍った炎
講談社文庫
コルシカの地主マテオが、裏切り行為を犯した一人息子を射殺するという、プロスペル・メリメの短篇「マテオ・ファルコーネ」と、その原話である地中海の小島・コルシカの伝説との対比への興味から描いた、連作小説。歴史の中に民族の特質を追及し、外国の旅のうちに、みずからの戦後を追懐する。大岡文学の〈原点〉への凝視を示す作品集。

1980.04.07発売
近世日本国民史 西南の役(三)
講談社学術文庫
征韓論争に敗れた西郷は飄然として薩南に帰り悠々自適高士の境地に消光していた。彼の一身は極めて静的であったが、彼の周辺は頗る動的であった。即ち、西郷出でずんば蒼生を如何せんと、天下を挙げてその蹶起を促すの時を待つ。時に川路大警視は薩摩郷士中原を密偵として鹿児島に潜入せしめ私学校党の難間を策す。他方、政府は火薬庫移転の挙を断行。これが導火線となって弾薬椋奪事件を惹起。遂に事情切迫の事態を招くに至る。
征韓論争に敗れた西郷は飄然として薩南に帰り悠々自適高士の境地に消光していた。彼の一身は極めて静的であったが、彼の周辺は頗る動的であった。即ち、西郷出でずんば蒼生を如何せんと、天下を挙げてその蹶起を促すの時を待つ。時に川路大警視は薩摩郷士中原尚雄を密偵として鹿児島に潜入せしめ私学校党の難間を策す。他方、政府は火薬庫移転の挙を断行。これが導火線となって弾薬椋奪事件を惹起。遂に事情切迫の事態を招くに至る。

1980.04.07発売
日本霊異記(下) 全訳注
講談社学術文庫
日本霊異記(下)は、中巻の時代の後を受け、奈良時代末期稱徳天皇(764)から平安時代初頭嵯峨天皇(822)にわたる説話を載せる。全39話。凄惨激烈な血族間の政権争奪と権力闘争―その結果として、平城京から長岡京遷都、さらに平安京への再遷―の難世相が説話の隙ににじみ出ている。編者景戒という一人格の、艱難に苦吟した人生の告白が、烈々の句となり、深沈たる文章となって読者を魅きつけるのも(第38話)巻下の特色といえる。

1980.03.18発売
暗号の数理 作り方と解読の原理
ブルーバックス
「暗号」の作成と解読の原理を見る!!
《最高級の知的遊戯》暗号作成と解読技術の果てしない闘い!
《古代のシーザー暗号》とは? DBFTBSが解読できればおわかりのはず!
《多表式暗号》慣用の暗号の主流。その解読の手法は……?
《公開鍵暗号系》最新の暗号体系の原理を紹介!
《本当に解読不可能か?》公開鍵暗号系の問題点を探ってみると……。
《暗号と計算機》高性能計算機の出現がもたらしたものはなにか……?

1980.03.12発売
ムーミンパパの思い出
講談社文庫
自由と冒険を求めて海にのりだした青年時代のムーミンパパ。ユーモラスな竜との戦い、あらしでたどりついたゆかいな王さまの島、おばけと同居したり、深海にもぐったり……さまざまな冒険をしながら、ムーミンママと劇的な出会いをするまでをパパが書いたファンタジーあふれるムーミン童話6冊目の傑作。

1980.03.12発売
殺しの四人―仕掛人・藤枝梅安
講談社文庫
この世に生きていては毒になる奴を消す。それが殺しの定法だ。ハリの名医が表看板だが、極悪人の殺しを請負って、闇から闇へと葬る非情な裏稼業。吹矢の名手彦次郎を相棒に、仕掛人・藤枝梅安必殺の殺し針が急所に突きささる。梅安・彦次郎コンビの人間味を追究しつつ、闇の活躍を痛快に描いた短編連作。

1980.03.12発売
水戸黄門(六)右近龍(下)
講談社文庫
綱方を病で失った光国は、兄の第二子・綱條をもらいうけ鍛える一方、大日本史編纂にますます力を注ぐ。だが5代将軍・綱吉は、生母・桂昌院の勧めにより生類隣憫の令を発令。この政策は悪政として世人の不満を買った。綱吉を補佐する覚悟を新たに名を改めた光圀は、幕閣を相手にまっこうからこれに反対する。元禄3年、63歳の春、綱條に家督を譲り、より自由な立場を求めて隠居を決意するまでの光圀の、大名時代の全容を描く。
綱方を病で失った光国は、兄の高松城主頼重の第二子綱條をもらいうけ、水戸家の世嗣として鍛える一方、寛文十二年、小石川屋敷のうちに彰考館をもうけ、後世の史家のための正しい指針となるよう大日本史編纂にますます力を注いでいく‥‥。天和元年、新将軍綱吉を補佐する覚悟を新たに名を改め光圀とし、元禄三年、綱條に家督を譲り、より自由な立場を求めて隠居の決意をするまでの大名時代を描く。〈右近龍 上下 全八巻〉

1980.03.12発売
水戸黄門(五)右近龍(上)
講談社文庫
綱方を病いで失った光国は、兄の高松城主・頼重の第2子綱條をもらいうけ、水戸家の世嗣として鍛える一方、寛文12年、小石川屋敷のうちに彰考館をもうけ、後世の史家のための正しい指針となるよう大日本史編纂にますます力を注いでいく……。天和元年、新将軍・綱吉を補佐する覚悟を新たに、名を光圀と改める。ときに54歳。そして元禄3年、綱條に家督を譲り、より自由な立場を求めて隠居を決意する。その大名時代を描く。
綱方を病いで失った光国は、兄の高松城主頼重の第二子綱條をもらいうけ、水戸家の世嗣として鍛える一方、寛文十二年、小石川屋敷のうちに彰考館をもうけ、後世の史家のための正しい指針となるよう大日本史編纂にますます力を注いでいく‥‥。天和元年、新将軍綱吉を補佐する覚悟を新たに、名を光圀と改め、元禄三年、綱條に家督を譲り、より自由な立場を求めて隠居を決意するまでの大名時代を描く。〈右近龍 上下 全八巻〉

1980.03.12発売
金曜日の誘惑
講談社文庫
ユダヤ人の老貿易商であるミスター・ウィリアムから、世にも不思議な「悪魔の印鑑」を預かった公認会計士の本田俊一郎は、この10年、妻以外の女性とは交渉を持ったことのない生真面目な男であった。しかし、女性の体に押しつけると巨大な悪魔のセックスと化す象牙製の印鑑を手にしてから、本田の夜の生活は一変した。外人相手のコール・ガールを手始めに、喪服の似合う未亡人、美貌のダンス教師、女優の卵、沖縄海洋博外国館の女、と実験を重ねていくうちに、すっかりその魔力の虜となってしまったのだ。ついには、姪の奈奈子や妻の紀美子までをも渦中に巻込んでの女遍歴の果てに……。

1980.03.11発売
兇悪の門
講談社文庫
警視庁特捜部のはぐれ刑事・会田。彼の周辺はいつも、争闘のスリルと血の匂いに満ちている。尋常の捜査では、ラチがあかないときにのみ密命が下り、会田の出番がまわってくる。まずは、獄中の麻薬密売の大物との接触を求めて、会田みずから囚人となるのだが……。日本のミステリ界に初めて誕生したヒーロー・会田刑事の密命遂行を描く、ハードボイルドの不朽の名作。「非情のライセンス」としてTVドラマ化された「兇悪」シリーズ。

1980.03.11発売
恋愛学校
講談社文庫
フレッシュな娘・石村チヒロは、カメラマンにあこがれて、高名な写真家・香露女史の助手になった。そこで彼女が目撃したのは、みにくい大人たちの恋愛ゲームやセックスの姿。これがほんとの人生なの? 一度は失望したチヒロだが、祖母の指南を得て、理想の恋をみつけようと人生に体当り。青春像を軽快に描くロマン。

1980.03.11発売
火の舞い(下)
講談社文庫
村瀬ふくから妊娠を打ちあけられた田島は、突然、姿をくらます。ふくは、やむなく腹の子を堕し、その後、呑み屋、バーのやとわれマダム、ホテルの女中など、職を転々として苦労をかさねる。そして、偶然にも田島と再会したふくは、昔と違っている田島を発見し、幸福な結婚を夢みるようになっていた……。女の哀しみと怒りを、心やさしく描いた傑作。〈全2巻・下巻〉

1980.03.07発売
和泉式部日記(上)全訳注
講談社学術文庫
『和泉式部日記』は、情熱の女流歌人和泉式部と冷泉天皇第四皇子敦道親王との恋の始まりから、和泉が宮邸に迎えられて入り、宮の北の方がついに宮邸を去るまで約10ヶ月の恋を描いてる。全編140余首に及ぶ2人の愛の歌によって彩られ、盛り上げられて行くこの日記は、歌日記と呼ばれるとともに、女主人公和泉式部を三人称的に記述している点や、和泉式部の視界外の世界の描写をも含む点で、物語的様相をも示している。(全3巻)

1980.03.07発売
近世日本国民史 西南の役(二) 神風連の事変篇
講談社学術文庫
幕末の肥後に甚大なる感化をおよぼした横井小楠と林櫻園。共に時習館に学ぶも己の主張により門戸を開く。小楠は天を説き政教一致に及び、攘夷論より一変して開国論に転じ凶刃に倒る。櫻園は神を説き神人一致に及ぶ。櫻園の遺志を継ぐ太田黒伴雄らは神風連を結成、明治九年十月蹶起。が、彼らの死を賭した欧米化への一大抗議も全国的にはほとんど閑却、やがて来らん薩南一隅の黒雲が天を圧しつつあったことがその主な理由だったか。

1980.02.25発売
官能の気配
講談社文庫
私は、都心のホテルに泊って、4日目になっていた。最初の3日間は、仕事に打ちこみ、あとの4日間は、女を入れ替り立ち替りそのダブルベッドの部屋に引っぱりこむことを考えていたのだが、不意にギックリ腰におそわれた。ギックリ腰のまま、行為は可能だろうか? 秘策を思いついた私は、ホテルにとじこもったまま、次々と女を呼び入れて行った。白人の外国人スチュワーデス、看護婦、女マッサージ師、巫女……。さまざまな女たちとの奔放なセックスの形を克明に描いた快作「満開ホテル」の他に、異色の官能短篇小説4篇を収録した、鮮烈な作品集。

1980.02.18発売
化学ぎらいをなくす本 化学再入門
ブルーバックス
この本は、一度化学のおせわにはなったがどうもよくわからない、どうも味気ないという、一種の失意を味わった人にむけて書かれたものです。H2はマルで、C2はどうしてペケなのか――といった意外性のある例をひきながら、対話形式で読物風に書いてあります。この本によって、眼がさめたように化学がわかるようになった、面白くなったという人が、どんどん出てくることを期待したいものです。

1980.02.13発売
万葉集 全訳注原文付(二)
講談社文庫
万葉学の第一人者が多年の研究の成果を結集した第2巻。
白鳳官人の旅情の歌や無名者の生活歌、天平の人々が四季折々に詠った杼情を、あますところなく汲みあげる。
原典との照応がすぐにできるよう、原文、読み下し文、全訳、語注をそろえる。
巻6から巻10までの1500首に及ぶ和歌を収録し鑑賞する。

1980.02.12発売
風の子ファンタジー
講談社文庫
自然を失った都会で、ふと私たちに季節の変化を呼びさましてくれる様々な「風」。その「風」を背景として、日常生活の中に妖精や自然の使いを登場させたこのファンタジーは、読者を幻妙な世界にいざないます。「火事」「雪の朝」「紙ふぶき」「青銅のライオン」「銀のローラースケート」など、新鮮で都会的な短編10話収録。

1980.02.12発売
完全犯罪の座標 傑作短編集(七)
講談社文庫
結婚まもない戸沢は、妻・雅美のもつスクラップブックに、場違いな推理批評家の評論「完全犯罪考」を発見し、妻の過去に疑惑を持つ。彼はひそかに妻の周辺を洗いはじめるが、その矢先、不慮の事故であえない最期をとげた。だが、その偽装された事故死の真相を暴いたのは、他ならぬ雅美の鋭い推理だったのだ。雅美の過去には何があったのか……。という表題作に、「妖獣の債務」「魔犬」「風媒の死」「盗めなかった“切り札”」「致死鳥」「断罪喫茶店」「飼い主のない孤独」「盗まれた密室」の9編を収録。

1980.02.12発売
棲息分布(下)
講談社文庫