吉川英治は明治25年(1892)に横浜で生まれました。
苦難の青少年時代を経て、大正12年(1922)の関東大震災をきっかけに30歳を過ぎてから作家の道を志します。
その作品は、自らの人生の苦難を背景に、庶民に寄り添った、庶民のための“大衆文学”として花開き、作家転身から間もなく人気作家となります。
生涯に長編・短編合わせておよそ240作品を世に残し、多くの人に愛されたことから“国民文学作家”とも称されました。
その人生に根ざした「我以外皆我師」「朝の来ない夜はない」といった言葉は、本人の座右銘であっただけでなく、今でも多くの人の心に力を与えています。
昭和37年9月7日、70歳でその生涯を閉じました。