夢、死ね! 若者を殺す「自己実現」という嘘

夢、死ね! 若者を殺す「自己実現」という嘘

ユメシネワカモノヲコロスジコジツゲントイウウソ

星海社新書

夢と自己実現の国、ニッポン
現在の日本は「夢」がやたらと優遇されすぎている。だが、夢を追い続けてきた結果、悲惨な目に遭った人々を私は散々見てきた。ミュージシャン、お笑い芸人、作家、司法浪人生、国家公務員試験受験生、学者、アーティスト、芸能人、起業したい人、フリーランスで自由に働きたい人―夢を簡単に煽って欲しくないのである。彼らがどんだけ「夢を持て」といったことばに騙されて悲惨な人生を送っているか! 本書で語るのは、そういったおとぎ話を真っ向から否定する、地に足の着いた仕事論である。さあ諸君、ワーク・ライフ・バランスに悩むのをやめ、「夢を諦める日付」を手帳に書き入れよう。仕事は元来、くだらないものなのだ。


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目次

第1章 【夢、死ね】
ネットにはびこる「ポジティブ教」「新時代絶賛教」
夢を語る若者よ、オッサンをなめるなよ
夢を諦める日付を
「能力」よりも重要なもの、それは「感じが良いこと」「常識的であること」
自分に自信を持ちすぎているヤツは痛い
スポーツ選手が潔いのは凄すぎるヤツが近くにいるからだ
何もやらないことによって一生幸せな夢を見続けられる  他
第2章 【あまりにトホホな仕事の現場】
人が仕事をする理由は「怒られたくないから」である
オッサンの出世のためにあなたの時間を使うのが仕事
怒られるのを恐れすぎた、JTB社員
商品は神様です! 大切に扱いましょう。人間よりもエラいのです!
何を言うか、よりも誰が言うか、が重要
「検討だなぁ」「難しい問題ですね」と言っておけば取りあえずOK
とりあえず「ツイッターでなんかやりましょう」こう言っておけばOK
自分の口で何も言いたくない。なぜなら責任取りたくないから  他
第3章 【個人を潰して事なかれ主義に走る、 絶望的な仕事の現場】
「仁義を切る」ことが求められ、「聞いてないよォ!」は怒りの根拠になる
「私はその人のことを知っている」もけっこう重要
組織は個人の名前を潰す、組織は個人が目立つことを許さない
「やってはいけないこと」は、あればあるほど安心
怒られるのイヤ病 客の出世! しつこいけど、これしかない!
芸能人、突然結婚! 離婚!  その時事務所は走る、走る!!
時に人はミスをする。それは仕方ないのに、小物は過度に動揺する
イケてるサラリーマンは自由であるという真実 他
第4章 【仕事はかくも尊く、人生を左右する】
ワーク・ライフ・バランス、クソ食らえ。仕事を「プレイ」と考えろ
実はフリーランスほどフリーでないという真実
仕事の失敗を他人のせいにする。これはイタ過ぎる
ストレスの正体とは「自分の力ではどうにもならないことで自分が怒られること」にある
フリーランスが受けるべき仕事
「中川の分は、みんなで割ろう」にキレ、泣いた夜 他

書誌情報

紙版

発売日

2014年07月25日

ISBN

9784061385535

判型

新書

価格

定価:902円(本体820円)

通巻番号

050

ページ数

256ページ

シリーズ

星海社新書

初出

2010年5月に文藝春秋より刊行された「凡人のための仕事プレイ事始め」に、ウェブサイト「cakes」で連載された『赤坂のカエル』の内容を加筆し、修正のうえ新書化したもの。

著者紹介

著: 中川 淳一郎(ナカガワ ジュンイチロウ)

ライター、編集者、PRプランナー 1973年生まれ。東京都立川市出身。一橋大学商学部卒業後、博報堂CC局で企業のPR業務を担当。2001年に退社し、しばらく無職となったあとフリーライターになり、その後『テレビブロス』のフリー編集者に。企業のPR活動、ライター、雑誌編集などを経て『NEWSポストセブン』など様々な、ネットニュースサイトの編集者となる。主な著書に、当時主流だったネット礼賛主義を真っ向から否定しベストセラーとなった『ウェブはバカと暇人のもの』(光文社新書)、『ネットのバカ』(新潮新書)などがある。割りと頻繁に物議を醸す、歯に衣着せぬ物言いに定評がある。口癖は「うんこ食ってろ!」。ビール党で、水以上の頻度でサッポロ黒ラベルを飲む。Twitter:@unkotaberuno

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