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春の渇き
ハルノカワキ

郷子は、手島によって、女としてめざめた。郷子が結婚したあとも、手島は「会いたい」といい、彼女もまた、会いたくなるのだった。郷子の中の「女」は、彼女の意識を離れて、1匹のけもののように、生きていた。そのくせ彼女は、夫の小池との間を、なんとか平常の形で保っていきたいと努力していた。そんな郷子が、手島との違和を感ずるときが来た。彼女のからだは、小池でなく、渇きを充たしてくれる第三の男を求めるのだった……。セックスと心理のひだひだを、まさぐるように描いた「春の渇き」の他に、「不妊の歌」「犬と情熱」「声と楽器」など、全9篇を収めた珠玉集。
Ⓒ川上 由美子
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書誌情報
紙版
発売日
1969年04月20日
ISBN
9784061115163
判型
新書
価格
定価:528円(本体480円)
ページ数
291ページ
シリーズ
講談社文庫
電子版
発売日
2022年01月07日
JDCN
06A0000000000327441J