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加納大尉夫人
カノウタイイフジン

大阪で指折りのメリヤス問屋の末娘に生まれた安代は、卒直な明るさを持つ娘であった。安代が女学校を卒業した年に、戦争が始まった。ある日、母に見せられた1枚の写真、それが海軍中尉・加納敬作であった。敬作のりりしさにあこがれた安代は、彼の妻になった。少女時代の延長のような稚なさの安代が、帝国軍人の妻らしくなりたいと努力し、緊張するほど、無邪気な失敗がくり返された。そんな妻を、敬作はいとしく思った。戦いは次第に苛烈さを加え、敬作の出征中に、安代は男の子を生んだ。そして半年の後に、敬作の戦死が伝えられた……。ほかに「猫」「山」「二人の女」を収録。
ⒸAIKO SATO
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書誌情報
紙版
発売日
1971年01月28日
ISBN
9784061116085
判型
新書
価格
定価:308円(本体280円)
ページ数
211ページ
シリーズ
講談社文庫
電子版
発売日
2021年08月20日
JDCN
06A0000000000303602L