
マイページに作品情報をお届け!
忠直卿行状記
タダナオキョウギョウジョウキ

越前宰相・忠直には、沸々たる不満がたぎる。二代将軍・秀忠の兄・秀康の長子に生まれ、大坂の陣にも東軍随一の戦功をたてながら、恩賞は薄かった。「血統から言えば、わしが将軍となって当然の身分ぞ!」忿懣は忠直を酒色に走らせて、やがては狂乱の殺戮をほしいままにする。愛妾の一国とともに罪人の処刑を見物し、鮮血のなかに盃を傾け、果ては罪なき家臣に無理難題をつきつけて成敗する。残虐の裡に無上の快楽を求めていた。忠直の妻は、秀忠の娘・勝姫である。狂気の中に身を滅亡の淵に追い込もうとする夫の行動を、彼女は江戸に告げた。独自の新解釈による「忠直卿行状記」ほか9篇を収録。
- 前巻
- 次巻
オンライン書店で購入する
書誌情報
紙版
発売日
1976年02月09日
ISBN
9784061117907
判型
新書
価格
定価:572円(本体520円)
ページ数
257ページ
シリーズ
講談社文庫
電子版
発売日
2021年10月08日
JDCN
06A0000000000308838S