忍ぶ橋

マイページに作品情報をお届け!

電子あり

忍ぶ橋

シノブハシ

講談社文庫

母の残した背徳の傷痕ゆえに、愛をも捨て、憎悪と怨念の石礫を浴びて、贖罪にのみ生きねばならぬ、哀しくも美しい女のさだめ――中桐晶子は、淡路島へ向う船に、傷心をゆだねていた。若い男と蒸発し、淡路島の小料理屋で働いていたらしい母の宮子が、ゆきずりの客を情交後に腰紐で絞殺、睡眠薬自殺を遂げた。客は、奈良の一刀彫り美術商・宗方春之と判り、ゆきずりの無理心中とみられた。宗方春之の妻・志津は激怒した。詫びる晶子に、ちぎった数珠を投げつけ、母親・宮子の罪をつぐなえと叫んだ。そして、晶子は、母の贖罪のために、宗方家の長男・知之の嫁として、志津の前にさらされることになった……。女の憎悪と怨念の石礫を浴びせる志津、女の愛も捨て贖罪にのみ生きる晶子の、哀しくも美しい日々を描く。


Ⓒ北泉 優子

  • 前巻
  • 次巻

オンライン書店で購入する

書誌情報

紙版

発売日

1979年01月12日

ISBN

9784061118621

判型

新書

価格

定価:528円(本体480円)

ページ数

238ページ

シリーズ

講談社文庫

電子版

発売日

2021年12月17日

JDCN

06A0000000000307879D

著者紹介

オンライン書店一覧

製品関連情報