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光源氏の一生
ヒカルゲンジノイッショウ

日本文学のうえで、光源氏ほど大ぶりで、ゆたかな、陰影に富んだ人間像は、ほかに見当たらない。幼い日の母への思慕、青年期の恋のはなやかさの反面、人間としての、人知れぬあやまち、悩み、挫折を通して自分をみがきあげ、やがて一門の主として成熟していく姿には、尽きない魅力がある。定評ある著者が、光源氏に焦点をあて、源氏物語を現代的に再編成した野心作であり、源氏物語の入門書としても好適である。
わたしの源氏物語――長くて複雑な源氏物語の内容を、大胆にカットしてみました。そして「光源氏の一生」という筋道に、源氏物語の内容を再編成してみました。それが本書です。あるいは、源氏物語の内容から、もっともよく書けている部分を、自由に抜き出して並べ変えてみた、ともいえるでしょう。こういう仕事は、それをする人によって、ずいぶん違った形にまとめられてくると思いますが、わたしとしては、まずこれだけの話は、ぜひ知っておいていただきたいと思った部分を、書きとめました。この本が縁となり、手引きとなって、現代訳によってなりとも、源氏物語の全体を読んでくだされば、たいへん結構です。――本書より
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目次
●まぼろしの歌
●母のない子
●異常な恋の経験
●紫の女性
●大きな秘密
●妻の座の争い
●生霊
●須磨の浦波
●光源氏の計画
●晩年の波紋
書誌情報
紙版
発売日
1964年03月22日
ISBN
9784061154025
判型
新書
価格
定価:946円(本体860円)
通巻番号
2
ページ数
251ページ
シリーズ
講談社現代新書