
新・哲学入門
シン・テツガクニュウモン

科学技術がいかに進歩しても、それだけでは解くことのできぬ永遠の問題がある。なぜ永遠であるのか。なぜ古くて新しい課題としてありつづけるのか。本書は、つねに具体的で身近な事柄から出発しながら、そこに潜む哲学的課題を浮き彫りにし、根源にさかのぼって問いなおし、体系化することをこころみた、自ら哲学しようとする人のための入門書である。
われわれは、この世の中に生まれ、この世の中において生活し、この世の中で死んでいく。この世の中におけるわれわれの生活を正しくみちびき整えてゆくには、どのように考え、どのように行為したらいいか。このことについての正しい認識・聡明な知恵は、どのようなものであるのか。これを求めるところに哲学ははじまる。哲学のはじまりは神話である。本書では、まず神話時代以来の人類の思惟を展望し、ついで哲学の諸問題を「認識」「行動」「形而上学と信仰」の3部にわけてとりあげた。フランスおよび英米哲学の持ち味を生かしてつねに具体から抽象へと叙述をすすめ、可能なかぎり対立する考え方を紹介し同時に筆者の主張ももりこんである。
- 前巻
- 次巻
目次
●哲学への道――山崎正一
哲学のはじまり・農民文化と戦士文化・インド文化・ギリシア文化・生命と知性
シナ文化・精神の革命・世界国家と世界宗教・科学と技術・現代の哲学
●認識について――市川浩+村上陽一郎+塚本明子
知覚・情動と想像力・記憶・思考について・生きられた世界
対象化された世界・シンボルについて・科学理論の構成・芸術について
●行動について――村上陽一郎・足立和浩+市川浩
物に対する行動・人に対する行動・個人と社会・歴史について
●形而上学と信仰について――福居純
形而上学について・信仰について
書誌情報
紙版
発売日
1968年05月16日
ISBN
9784061155480
判型
新書
価格
定価:880円(本体800円)
通巻番号
148
ページ数
332ページ
シリーズ
講談社現代新書