
日本人はどこから来たか
ニホンジンハドコカラキタカ

日本人の起源は永遠の謎である。日本は古来文化のルツボであった、流れこむばかりでそこから出て行くことのない――。このルツボのうちそとの謎に、多くの先人が、果敢に挑み、先住民説・原人説・混血説などを説いた。本書は発掘物・言語など豊なデータをもとに、精密な推理を進め、江南要素を重視する。
〈日本人の起源に関する諸説〉歴史的にみると、まず、日本島には日本人以前に先住民がいたという、先住民論があり、その先住民がいかなるものであったかをめぐって、アイヌ説・プレアイヌ説・コロボックル説などがあらわれた。さらに日本人混血説をへて、ナショナリズムとのからみあいもあって、日本島には最初から日本人がいたとする日本原人論があらわれた。最近になって騎馬民族征服説なども出されたが、もちろんこの世界には、確たる定説はない。化石人骨・血液型・言語・石器・土器・各種の道具、そして稲作の問題など複雑なファクターを比較検討しながら、本書では、日本人の祖型には江南要素が濃厚であると結論する。
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目次
●永遠の謎
●日本人とは
●日本人起源論の諸相
●日本語の源流
●ベールをぬいだ旧石器人
●5つのルート
●多面的な縄文文化
●稲作と金属器
●イネの道
●古墳文化の舶来品
書誌情報
紙版
発売日
1971年11月28日
ISBN
9784061156654
判型
新書
価格
定価:726円(本体660円)
通巻番号
265
ページ数
211ページ
シリーズ
講談社現代新書