絶対王政の時代 新書西洋史(5)

絶対王政の時代 新書西洋史(5)

ゼッタイオウセイノジダイシンショセイヨウシ

講談社現代新書

太陽王ルイ14世が、はなばなしく活躍した時代は、近代社会へと、歴史が転換する激動の時代であった。僧侶・貴族から、その権力を奪い、絶対的統治権を手にした国王は、16-18世紀の300年間に、内に外にと勢力を膨張させ、植民地を通しての東西貿易によって、近代国家への発展の基礎をつくりあげた。また、哲学、文学、美術、音楽、自然科学などの分野で文化の花が開いた。この躍動する時代を、“ヨーロッパとは何か”という視点で把らえ、「転換期の歴史」の鼓動をつかむ。

統一と分裂の中のヨーロッパ――ヨーロッパの歴史は、政治的にみれば統一と分裂の2つの対極のあいだを揺れ動いているともいえる。ここに述べる絶対王政の展開は、まさにそのようなヨーロッパ的分裂化の端的な表現である。諸国家は自国の独自性と独立主権を強く主張し、すべてを自国の利害において計算し行動する。他国の富と繁栄は、自国の貧と衰退と考える。このような極端なヨーロッパの政治的分裂化にもかかわらず、実は、その内部では、絶対王政という政治形態をとって、1国の優位に対して、他国家が同盟して、その専横を阻止するという勢力均衡の原則が働いていた。――本書より


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目次

●誇張するヨーロッパ
 古い大陸にむかって/新しい大陸にむかって/ヨーロッパへの影響
●全体王政の展開
 絶対王政の特色/フェリペ2世/女王エリザベス1世
 太陽王ルイ14世/イギリスの2つの革命
 フリートリヒ大王とピョートル大帝/18世紀のフランスとイギリス
●戦争と平和
 国際関係の特色/国際平和思想の展開
●近代文化の形成
 自然科学の発展/哲学の展開/政治・経済学説/美術と文学

書誌情報

紙版

発売日

1973年10月17日

ISBN

9784061157156

判型

新書

価格

定価:704円(本体640円)

通巻番号

315

ページ数

206ページ

シリーズ

講談社現代新書

著者紹介