
社会科学の考え方
シャカイカガクノカンガエカタニンゲン・チシキ・シャカイ

人間にとって、社会とはなにか。知識とはなにか。そして人間とは、なんなのか。これらの問いに、社会科学はどのような方法で、どのように答え、危機に立つ現代社会をどこに導こうとするのか。ルソー、スミス、マルクスなどの方法や考え方も紹介しながら、つきつけられた課題と正面から取り組んだ、ユニークな社会科学入門である。
共通する思考様式――社会科学といっても、現実に存在するのは、経済学とか政治学とか法学とかいう個別社会科学の集合体=社会諸科学にすぎない。それにもかかわらず、社会諸科学に共通した問題・性格・思考様式というものが、あるのではないだろうか。さらに、すべての科学に共通したそういうものがありはしないか。人間は、社会をつくり、社会のなかで生活し、社会を変革する。かんたんにいえば、それが人間の生活なのであり、人間が自己を実現しようと永遠に努力する過程なのである。この過程で人間は、生きるために(人間らしく生きるために)、人間について考え、社会について考える。そういう思考が、社会科学を生むのである。――本書から
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目次
●知識について
知るとは?/実感と常識/思考と伝達/科学とはなにか/社会科学と自然科学
●社会について
社会とはなにか/支配の発生と展開/宗教から科学へ/
近代的個人の成立/管理社会の科学の役割/民主主義の原理と現実
●人間について
人間は自己を変革する/近代社会と人間/資本主義下の生きがい/
政治のなかの人間/教育と人間解放
●知識人について
知識人の発生/知識の商品化と学問の自由/反体制知識人
書誌情報
紙版
発売日
1975年06月04日
ISBN
9784061157996
判型
新書
価格
定価:694円(本体631円)
通巻番号
399
ページ数
187ページ
シリーズ
講談社現代新書