新書東洋史(1)中国の歴史1 中国社会の成立

新書東洋史(1)中国の歴史1 中国社会の成立

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講談社現代新書

藍田・北京原人以来、中国文明は世界に偉容を誇る。黄河流域の歴史上はじめての国家〈殷〉〈周〉。〈春秋〉〈戦国〉の動乱のなかから広大な大陸を統一した〈秦〉〈前漢〉。最近次々発掘される考古学の驚異的データをもとに、著者のとぎすまされた史眼はめまぐるしく変わる時代の意味と構造をシャープに解剖し、古代中国を現代にあざやかに甦らせた。中国史に偏することなくアジア全体の歴史を見とおす新書東洋史は本巻よりスタートする。

祭祀と甲骨文――殷文化の発見の緒口(いとぐち)をひらいた甲骨文とはいったいどういうものであろうか。新石器の竜山文化以来中国では広く大型哺乳動物である羊・鹿・牛・豚などの肩甲骨を使って卜占を行なう風習が見られる。肩甲骨の裏側に燃える細い木をおしつけ、一部分を急激に膨張させると、表面に亀裂ができる。その亀裂の具合で吉凶を判断した。ところが、殷の中期後半になると、哺乳動物の肩甲骨のほかに、亀の腹甲も使用するようになり、後期になると安陽や鄭州など――ただし鄭州ではまだ二、三例しか発見されていないが――では、肩甲骨や亀甲に何を卜(うらな)ったかをするどいナイフで刻って記録するようになる。それが甲骨文字であり、またほとんどの内容が卜占の内容であるので、卜辞ともよぶ。――本書より


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目次

●古代中国とは何か
●原始社会
●王と神々
 殷文化とは何か
●土地と人
 周の東進
●統一への道
 春秋の五覇/七国の死闘
●激動する社会と思想
●統一帝国の完成

書誌情報

紙版

発売日

1977年01月25日

ISBN

9784061158511

判型

新書

価格

定価:748円(本体680円)

通巻番号

451

ページ数

244ページ

シリーズ

講談社現代新書

著者紹介