
新書東洋史(2)中国の歴史2 世界帝国の形成 後漢・随・唐
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秦・漢帝国の崩壊は、中国古代世界の解体を告げる。三国時代・五胡十六国・南北朝の動乱のなかからは新しい時代への息吹きがあらわれ、文化の型もめざましい変容をみせる。貴族階級が時代のにない手として登場し、隋・唐帝国による再統一がなされると、その潮流は大きなうねりとなって、朝鮮・日本へと波及していった。本書は、貴族階級の擡頭と世界帝国の形成を二本の柱に、中国中世社会の構造を解明し、東アジア世界を結ぶ歴史の糸を、あざやかに描き出した。
東アジア世界の成立――隋唐帝国と古代日本との“出会い”は、決して偶然の産物ではない。隋唐帝国形成の第一歩は紀元3世紀にふみ出されるが、それはまた、わが古代国家の原初形態を示す邪馬台国の時代でもあった。高句麗の出現はそれよりやや早いが、しかしそれも第1のピークである秦漢時代の終末を告げる事件であった。そして、7世紀後半、唐、奈良朝日本、統一新羅と並び立ったとき、真に東アジア世界とよぶべき歴史世界が成立したのであった。それはいわゆる隋唐世界帝国の重要な一環をなすものであるが、この国家群を1つに結びつけた歴史の糸とは、はたしてどのようなものであったであろうか。秦漢帝国の解体によって四分五裂の運命に立ち至った中国社会が、再び結合統一されて隋唐帝国を形成するその過程は、どのような原理によってみちびかれたのであろうか。――本書より
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目次
●古代世界の解体
●漢的世界帝国の破綻
●新時代への模索
●胡漢二つの世界
●貴族と国家
●超俗の世界
●中国再統一への道
●隋唐文化の世界
●東アジア世界の成立
●世界帝国と貴族社会
書誌情報
紙版
発売日
1977年02月23日
ISBN
9784061158528
判型
新書
価格
定価:694円(本体631円)
通巻番号
452
ページ数
234ページ
シリーズ
講談社現代新書