
新書東洋史(5)中国の歴史5 人民中国への道
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ゆらぎ始めた清朝の支配体制は、その体制が不備であった分だけ、逆に柔構造の強さを見せながら崩壊の道をゆるやかにたどっていく。列強の利害が改革派の官僚、軍閥の動きと絡まり、中国の革命運動は困難な状況のなかに置かれていた。本書は、太平天国、アヘン戦争から第二次世界大戦後の革命の成立まで、近代中国100年の曲折を描き出す。西洋近代のインパクトから生まれたさまざまな改革運動のなかで、共産主義が支持され、その革命が成就する過程を明快に分析。
五四運動の影響――五四運動を境に新文化運動は文化革命に発展した。その例証としては、大衆向け宣伝の必要と実践から口語文がこの過程で大衆的に根を下ろし、文章語としての正統の地位を確保したこと、男女同権、婦人解放の要求が高まるなかで、1920年から北京大学はじめ国立の有名大学が、女子学生に門を開いたことをあげておこう。日本の国立大学が女性に開放されたのは1946年、しかも占領軍の指示によってであったことを想起すれば、ことがらの重みが知れよう。――本書より
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目次
●侵略と抵抗
旧体制の中国/柔構造の封建主義
アヘン戦争/弛禁か厳禁か
太平天国/天朝田畝制度
●専制王朝の終焉
清仏戦争と日清戦争/同治中興
変法維新の運動/戊戌政変
●救国の方途を求めて
北洋軍閥の支配/幻の洪憲皇帝
五四運動/中国共産党の誕生
書誌情報
紙版
発売日
1977年05月27日
ISBN
9784061158559
判型
新書
価格
定価:726円(本体660円)
通巻番号
455
ページ数
209ページ
シリーズ
講談社現代新書