
ムー大陸の謎
ムータイリクノナゾ

「かつて太平洋上に1つの巨大な大陸と帝国があった。6400万人の人口を擁し、高度な石造建築をつくり、大河の港には、全世界の物資が集散した」と描写された大陸・帝国こそ、ムー大陸とその帝国である。今から1万2000年前に、帝王ラ・ムーに率いられ、栄華をきわめたというムー帝国は、実在したのか。なぜ滅亡したのか。本書は最新の調査や発掘による科学的成果を土台にして、ムー大陸形成の過程を地質学的に解明しつつ、ムー文明の全体像と滅亡のドラマを再現する。
栄えるムー帝国――人びとの目を奪う景観は、なんといっても7つの大都市であった。その1つは王宮が所在するヒラニプラで、この国の首都であった。この聖なる都市は、国の北西部にあった。町の中央にある小高い丘には、白亜の大神殿や大礼拝が立ち並び、僧院、神殿などが、所せましとばかりひしめいていた。さまざまな色彩の石を組み合わせてつくられ、不思議な光を投げかけていた。町には水路が、縦横に通じ、港々からはナーカルと呼ばれる「聖なる伝道者」たちが、海外の各地へと旅立った。町の人々も華やかな衣服をまとい、歌や踊りに興じる日々を送っていた。かれらの笑いさんざめく声は、美しい音楽の響きと交錯して、楽園は永久に続くと思われた。――本文より
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目次
●ムー帝国の栄光と悲惨
●太平洋の楽園伝説
●イースター島はムーの聖域か
●レムリア大陸とゴンドワナ大陸
●拡がるムー文明
●新・旧両大陸にある共通文明
●太平洋の海底をさぐる
●ムー大陸と太平洋の深海底
●失われたムー大陸
●伝承のなかにある真実
書誌情報
紙版
発売日
1977年11月25日
ISBN
9784061158894
判型
新書
価格
定価:694円(本体631円)
通巻番号
489
ページ数
188ページ
シリーズ
講談社現代新書