
エントロピーとは何か 「でたらめ」の効用
エントロピートハナニカデタラメノコウヨウ

エントロピー的な力とは何か?
気体を箱に入れると、箱のカベに中から圧力がかかる。分子的な立場からいうと、気体がひろがろうひろがろうとするのは、分子がはげしく走りまわっていて、スキさえあれば遠くへ遠くへ脱出しようとするからである。ところが一方、気体がひろがろうとすることと、そのエントロピーを大きくしようとすることとは同じことなのだから、つまりはエントロピーをふやそうとする傾向が圧力となってあらわれる、といってよいことになるわけだ。(本書5章より)
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目次
0 でたらめさと複雑さとおもしろさ――ちょっと長い導入部
1 でたらめさとは何か?
2 でたらめさを測る――でたらめさと情報量とエントロピー
3 パターンのエントロピー
4 物質系のエントロピー
5 熱力学の第2法則とエントロピー的な力
6 エネルギー的な力とエントロピー的な力とのせり合い
7 秩序から無秩序へ――相転移とエントロピー
8 情報理論とエントロピー
9 文明・生命・環境とエントロピー
書誌情報
紙版
発売日
1979年08月20日
ISBN
9784061179967
判型
新書
価格
定価:990円(本体900円)
通巻番号
396
ページ数
244ページ
シリーズ
ブルーバックス
著者紹介
装画: 鈴木 吉男(スズキ ヨシオ)