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野の鈴(上)
ノノスズジョウ

扁平足で脚が短く、あひるのようにペタペタと歩く、少年・庄吉。9歳の彼の姿は、どことなく剽軽でもの哀しい。その孤独な歩みのたびに、背の鈴の音が響く。戦地の中国・満州で父を失い母と生き別れ、戦後ひとり荒廃した日本へひきあげた庄吉。敗戦直後の東京の焼野原で、母を求めて彷徨い、四国の田舎で生きていく。運命の神に翻弄されながら、やがて来るつかの間の再会。だが、それが永遠の別れへの旅立ちとなった……。戦後の混沌とした時代状況の中で、人間の哀しい定めと愛の美しさを謳い、凜とした深い感動を伝える名作。<上下全2巻>
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書誌情報
紙版
発売日
1982年10月08日
ISBN
9784061317932
判型
A6
価格
定価:396円(本体360円)
ページ数
280ページ
シリーズ
講談社文庫
電子版
発売日
2019年08月09日
JDCN
06A0000000000053652W