大きな木のような人

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大きな木のような人

オオキナキノヨウナヒト

講談社の絵本

パリの植物園で、植物学者と少女が出会う。
少女は植物の面白さに目覚め、心に何かが芽生えたことを感じる。
雄大な植物に囲まれた、小さいけれど感動的な出会い──。

・作/いせひでこさんからのメッセージ
パリには2本の樹齢400年のアカシアがある。その一本の大樹のある物語はすでに描いた。もう一本の樹ははじめから植物園で大切にされ、樹齢を重ねていた。私の足が、植物園に向かうようになったのは自然のなりゆきだった。
パリの大きな植物園を訪ねては、目が追いつかないほど、四季折々の樹や花や芽を観察することになった。そんな春のこと、私は自宅裏庭のちっちゃな一角に、生まれて初めてひまわりのタネを蒔いた。朝、昼、夕、毎日芽が出ていないかと庭の土におでこを這わせる姿は、まるでチャペックのにわか『園芸家の一年』みたいだった。(あとがきより抜粋)

・担当者のうちあけ話
カバーや帯の惹句を考えるのはふつう編集者の仕事ですが、この絵本ほど、それが難しいと感じたことはありませんでした。とにかく何を書いても、作品を表現するには物足りない言葉のように感じてしまうのです。
それは、いせひでこという画家が、歩いて、見て、聞いて、嗅いで、触れて、感じて、そして何度も何度も考えたこと、それを筆だけでなく、全身で表現しているからだと思います。
『大きな木のような人』は、独立したひとつの作品ですが、そんな作者ですから、これまで描いてきた作品と深いつながりが生じるのは必然です。『ルリユールおじさん』(理論社)の少女ソフィーが大きくなって、植物学の研究者として登場しているのを見て、私はゾクッとしました。(若)


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書誌情報

紙版

発売日

2009年03月19日

ISBN

9784061323926

判型

A4横長

価格

定価:1,980円(本体1,800円)

ページ数

60ページ

シリーズ

講談社の創作絵本

著者紹介

作: いせ ひでこ(イセ ヒデコ)

画家、絵本作家。1949年生まれ。13歳まで北海道で育つ。東京芸術大学卒業。『マキちゃんのえにっき』で野間児童文芸新人賞、『水仙月の四日』で産経児童出版文化賞美術賞、『ルリユールおじさん』で講談社出版文化賞絵本賞を受賞する。宮沢賢治とゴッホの研究をライフワークとしており、スケッチの旅での出会いや実感を大切にする現場主義に徹した作品が多い。エッセイに『ふたりのゴッホ』、絵本に『よだかの星』『にいさん』『絵描き』『雲のてんらん会』など多数がある。2007年にはパリで「いせひでこ絵本原画展 絆」を開き、好評を博した。その出会いをきっかけにして東京で開催された2008年の「日仏絵本文化交流原画展 絆」をはじめ、各地での絵本原画やタブロー作品展示を通した絵本の普及にも力を注いでいる。本書『大きな木のような人』は、仏語版もフランスで同時刊行となる。

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