新装版 しろいおくりもの

マイページに作品情報をお届け!

新装版 しろいおくりもの

シンソウバンシロイオクリモノ

講談社の絵本

秋の最後のひと葉が散って、冬がやってきました。
 ある朝、まどかは雪の野原を歩いていると、美しい白い箱を見つけます。箱のまわりには星のかたちのかけらがいっぱい落ちていました。かけらは拾い上げると、すっと消えてしまいます。
 凍った湖にも雪が積もりました。そこには真っ白いそりがとまっていて、たくさんの白い箱が積んであり、たくさんの白い服の子どもたちがいるのです。
 まどかが拾った箱を抱えて立っていると、子どものひとりがかけてきて、「あった、ぼくの だいじなもの・・・・・・。」と、言って箱を持ち去ってしまいます。その子がそりに乗ると、そりは動き出しして、真っ白い森の奥に消えていきました。
「あの子たちはどこからきたのかしら?」その夜、まどかは考えていると、外はまた雪になりました。
 まどかが外に出ると、あのそりと子どもたちがやってきていました。子どもたちがそれぞれ手に持った小さい白い箱を開けると、星のかたちのかけらがあふれ出し、空に上って雪になっていきます。そりを引いて、夜空に舞い上がる子どもたち。雪の中に「あ、り、が、と、う」の文字が、きらきらとかがいて見えました。


  • 前巻
  • 次巻

書誌情報

紙版

発売日

2013年11月16日

ISBN

9784061325623

判型

A12取

価格

定価:1,320円(本体1,200円)

ページ数

36ページ

シリーズ

講談社の創作絵本

初出

1985年に刊行された「しろいおくりもの」を再編集したもの。

著者紹介

文: 立原 えりか(タチハラ エリカ)

東京都に生まれる。1957年に自費出版した『人魚のくつ』で第8回日本児童文学者協会新人賞を、1961年に『でかでか人とちびちび人』で第2回講談社児童文学新人賞を受賞。『木馬がのった白い船』(角川文庫、講談社文庫)、『天人の橋』『王女の草冠』(愛育社)や、翻訳作品など著書多数。アンデルセン作品に造詣が深く、2011年には『豪華愛蔵版 アンデルセン童話名作集』(静山社)の編纂、解説を担当した。童話創作の機関誌「ヒースランド」編集長。2013年第52回児童文化功労賞受賞。

絵: 永田 萠(ナガタ モエ)

兵庫県に生まれる。1987年、エッセイ画集『花待月に』(偕成社)で、ボローニャ国際児童図書展グラフィック賞を受賞。著作は140作以上に及ぶ。2000年開催の淡路花博(ジャパンフローラ)では、公式ポスター、キャラクターマークを手がけた。近著に『花ときどき風』(東京書籍)、『永田萠ART BOX 夢みるチカラ』(講談社)、『聖書のおはなし』(小塩節・小塩トシ子著、キリスト教視聴覚センター)などがある。国内外で数多くの展覧会を精力的に開催している。京都市在住。