
癌の生態学 癌には個性がある
ガンノセイタイガクガンニハコセイガアル

癌に特効薬があらわれないのはなぜか!
「癌に効くすばらしい新薬」のニュースがたびたび伝えられながら、現実の治療でそんな画期的な救世主はあらわれない。それは、条件に大きな違いがある基礎的な動物実験と臨床とを混同し、その上、癌の性格が人によって異なるという、癌の「個性」を無視しているからである。特効薬のない現状では、新しく出てくる痛の薬をきぴしく制限することは、まったく意味がない。癌にある程度効き、学問的に納得がいき、副作用の程度がわかれば、速やかに認可すべきである。多様な癌を治療するには、癌の薬はいくらあってもかまわない。役に立たないものは自然に消えてゆく……。(本文より)
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目次
1 癌とはどんな病気か
2 癌はどこまでなおるか
3 癌の生態学
4 癌の薬の問題
5 日本のある癌研究の系譜
書誌情報
紙版
発売日
1986年12月17日
ISBN
9784061326699
判型
新書
価格
定価:790円(本体718円)
通巻番号
669
ページ数
210ページ
シリーズ
ブルーバックス
著者紹介
装丁: プラスビー(プラスビ-)