親が知らない子どもの心 精神医学の視点

親が知らない子どもの心 精神医学の視点

オヤガシラナイコドモノココロセイシンイガクノシテン

ブルーバックス

家庭内暴力は、なぜ日本でしか起きないのか?
登校拒否、家庭内暴力、非行、いじめなどの問題は、なぜ起きるのだろうか。その理由は、精神の成長が肉体の成長に比べて遅いからだ、とされている。しかし、それだけでは、こういった問題が日本でしか起きていないことの、説明ができない。子どもの思春期の問題の大部分は、自分の非を知りながらの行動であって、精神病ではない。つまり、日本人の持つ独特の問題点の結果に他ならないのである。では、その問題点とは何だろうか。実例を豊富にまじえて、わかりやすく解説する。


  • 前巻
  • 次巻

目次

プロローグ この子の将来はどうなるのだろう?
1 乳幼児期の育て方で思春期がきまる
  1.わが子の突然の変身
  2.わが子は精神異常になったのか
  3.ことばの達者な子どもは知能が高いか
  4.学力が次第に低下する理由
  5.高学歴の親の子どもは知能が高いか
  6.知能・性格は育て方しだいできまるか
2 子どもを世界一甘やかす日本人
  1.日本人とアメリカ人のしつけの違い
  2.アメリカ人は乳幼児さえも甘やかさない
3 よい子が突然変身するわけ
  1.子どもを自立させるのは親の責任
  2.反抗期のない子どもの方が危ない本当の理由
  3.現代の青年たちはおとなしすぎる
  4.教育のひとり歩き
  5.環境が悪いのか本人が悪いのか
  6.「つつみこむ社会」か「きりはなす社会」か
4 そんなに「成績」が大切か
  1.知能と学業成績は比例するか
  2.小学校の成績がよい子どもの知能は高いか
  3.勉強方法で優秀な子どもはわかる
  4.子どもの性格で学業成績は変わる
  5.受験勉強は意味がない
  6.学習障害とはどんなものか
5 子どもは無言で助けを求めている
  1.学歴という過信
  2.海外帰国子女からみて不合理な日本
  3.登校拒否児の前途は明るい
  4.いじめは精神不健康の表れ
  5.高校生の中途退学は環境のせい?
  6.男性性の欠如で起きる大学生のアパシー
  7.非行の背景は愛情不足
6 世間の目をとるか、わが子をとるか
  1.気むずかしいのは思春期の特徴
  2.家庭内暴力は日本特有の現象
  3.家庭内暴力は精神病ではない
  4.家庭内暴力は子どもの不安解消法
  5.乳幼児期の甘やかしが真犯人
  6.子どもの将来は子育てできまる
7 ハンディキャップを持つ子の親にみる「理想の親」
  1.知能の発達のおくれた子ども
  2.親の強い衝撃と不安
  3.強く柔軟な親のこ

書誌情報

紙版

発売日

1990年12月17日

ISBN

9784061328488

判型

新書

価格

定価:946円(本体860円)

通巻番号

848

ページ数

218ページ

シリーズ

ブルーバックス

著者紹介