
脳100の新知識 その形態・機能から疾患まで
ノウ100ノシンチシキソノケイタイ・キノウカラシッカンマデ

脳の「聖域」が見えてきた
脳の中には銀河系の星の数に相当する細胞があり、脳の主要な働きは、そのうちの140億個の大脳のニューロンによって営まれている。
今世紀後半、分子生物学や生化学は急激に進歩し、ニューロンの微細構造やその内部の化学物質の構成と機能が、また感覚系や運動系などの基本的な系をつかさどる神経回路網や、それが機能する際の情報処理のメカニズムも明らかになってきた。現時点での脳研究の最前線を、わかりやすく解説した。
- 前巻
- 次巻
目次
1 脳の形態を探る
1.精神の座としての脳――脳は「こころ」のすみかか?
2.脳の発達――はじめに1本の管があった
3.神経情報伝達系(中枢神経系と末梢神経系)――瞬時にして情報が集まり、統合され、全身に広がる命令機構
4.大脳皮質――高次知的機能をつかさどる脳
5.大脳辺縁系――本能的な脳
6.視床――感覚の中継所としての脳
7.視床下部と下垂体――体内ホメオスタシスを調節する脳
8.大脳基底核――滑らかな運動のための脳
9.黒質と赤核――色のついた脳
10.小脳――平衡機能をつかさどる脳
11.青斑核と脳幹網様体――覚醒と睡眠をコントロールする脳
12.脳室と脈絡叢――脳のなかにあるクリーク
13.脊髄――頭から足先までの新幹線としての脳
14.脳血管とウイリスの大脳動脈輪――脳への血液はどのように運ばれるか
15.血液脳関門――二重の砦に守られたニューロン
16.ニューロン――脳の最小機能単位
17.神経膠細胞――ニューロンだけで脳はうまく機能できるか?
18.樹状突起――情報を集めるためのアンテナ
19.髄鞘――混線せず効率よく情報を伝えるための構造
20.シナプスと神経伝達物質――神経系における情報伝達の場とメッセンジャー・ボーイ
2 神経生理の基礎
21.神経細胞生理学
22.静止膜電位――神経細胞が静かなとき
23.活動膜電位――神経細胞が働いているとき
24.イオン機構――膜電位の発生
25.刺激閾値――神経細胞を刺激するには
26.伝導と伝達――神経情報の伝わり方には2種類ある
27.伝導速度――神経内を情報が伝わるのは遅い?
28.跳躍伝導――情報伝導の超特急便
29.神経興奮の伝達――神経細胞間の情報の受け渡し
30.再生――死んだ神経細胞は再生しない
3 あまり知られていない脳機能の話
31.代用脳――カタツムリの脳は人の脳
32.善玉酸素と悪玉酸素
書誌情報
紙版
発売日
1991年02月18日
ISBN
9784061328594
判型
新書
価格
定価:990円(本体900円)
通巻番号
859
ページ数
250ページ
シリーズ
ブルーバックス
著者紹介
装丁: プラスM(プラスM)