
子どもはこんなに疲れている 精神科医のみた現代日本の病理
コドモハコンナニツカレテイルセイシンカイノミタゲンダイニホンノビョウリ

「過労死」しかねない「過労児」たち
塾の合い間を縫ってファーストフードで夕食。家に帰ってからは、学校の宿題や塾の予習と復習。朝はギリギリに起きて朝食もとらずに学校に行く。かつて24時間戦うと讃えられた(?)ジャパニーズ・ビジネスマンでさえ真っ青の超過密日程ですが、これをこなしているのは「いい学校に入る」ということを人生の大目標(?)にさせられた子どもたちです。唯一の楽しみは、塾が終わった後の電車の中での液晶ゲーム。最近では珍しいとはいえなくなったこんな子どもたちですが、彼らの「心」と「体」は確実に触まれています。登校拒否、心身症、小児神経病、突然死……これらは、子どもを突然襲うのです。
- 前巻
- 次巻
目次
1 子どもの体は便利な生活に蝕まれる
1.子どもの食事は、カロリー満点・栄養ゼロ
2.手抜きの家庭調理が肥満児と小児成人病を生む
3.アトピー性皮膚炎に苦しむ子どもが増えている
4.体の不調は心の不健康が引き起こす
5.子どもたちが朝礼で倒れる
6.子どもの健康を損なう競技スポーツ
7.子どもの先天異常は、親の妊娠中の行動も一因
2 現代社会は子どもたちの心を蝕む
1.学業不振の原因をさぐる
2.優秀でも成績不振な学習障害
3.自信で治る緘黙症
4.治りにくい思春期の病気、拒食症
5.陰湿化するいじめ
6.突然起きる登校拒否
7.もはや珍しくはない家庭内暴力
8.社会自立の出発点、思春期危機
9.家出は心の問題
10.大人がきめる非行児の将来
11.広まるシンナー遊び
12.衝動的な子どもの自殺
13.親にこそ問題がある幼児虐待
3 社会が子どもを追い込む
1.戦後の家庭教育のゆがみ
2.学校教育の主客転倒
3.嘆くだけでは変わらない
4 子どものすこやかな成長を求めて
1.子どもと親の悩みに応える小児精神医学
2.子どもを賢く育てる賢い親は
3.学閥社会は、日本の後進性の表れ
4.かけがえのない個性
書誌情報
紙版
発売日
1993年03月16日
ISBN
9784061329584
判型
新書
価格
定価:1,078円(本体980円)
通巻番号
958
ページ数
286ページ
シリーズ
ブルーバックス