生きることと愛すること

生きることと愛すること

イキルコトトアイスルコト

講談社現代新書

人間は愛なくしては生きてゆけない、孤独な存在である。だが人は多く、ふれあいを求めながら、心を開くすべを知らない。人はどこまで愛を受け、どこまで愛を与えることができるのだろうか。自己愛、恋愛、親子の愛、神の愛など、さまざまな愛のかたちをとおして、ほんとうの自分をみつけるための道標を探索する本書は、生きることのむずかしさに悩む現代人の心に、真情あふれる示唆を与える。

愛の原則――私たちの多くは、おそらく無意識にではあるが、50対50のフェアプレイを基盤にして生きている。私たちは、相手が私たちを受け入れ、親切にしてくれるかぎり、相手にもそうする。しかし、もし相手が私たちをだましたり、傷つけたりしはじめたら、私たちも態度を変えてしまう。冷淡になり、相手と同じ戦術を使うのである。私たちは50対50の原則ではなく、愛の原則に従って生きなければならない。愛の原則とはひじょうに単純なことである。私たちは愛さなければならない――相手が何をいい何をしようとも、いまもいつも。人を愛するということは、その人にもっと愛する力を与えようとすることなのである。フットボール選手だった父親が、息子もフットボール選手にしたいと願うように、愛する人は、相手をも愛することのできる人に変えてゆくのである。――本文より


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目次

●愛されることの重要性
●自分を与えること
●愛は善を創造する
●愛の五次元
●愛の反対
●自己愛
●恋愛
●親子の愛
●神の愛
●愛と美

書誌情報

紙版

発売日

1978年04月24日

ISBN

9784061455030

判型

新書

価格

定価:726円(本体660円)

通巻番号

503

ページ数

220ページ

シリーズ

講談社現代新書

著者紹介