
写真を撮る
シャシンヲトル

子供の記念写真なら、表情の愛らしさが再現できればよい。記録写真なら、撮影者の意図を第三者に正しく伝え、作品としての組写真なら、ストーリーを語らせなければならない。写真の上手下手は、意図がどれだけ反映されているかで決まる。シャッターを切る前に、「何故撮るのか」「何を表現したいのか」をもう一度考えよう。〈書く〉〈話す〉〈撮る〉……ともに貴重な自己表現の手段である。本書は、シャッターチャンス、フレーミングの基本から記念写真、記録写真、接写、組写真のまとめ方の実践まで、コミニュケーションの手段としての写真の考え方・撮り方を写真体験四十年の著者が蘊蓄を傾けて語る。
1回の“シャッター料”は……――10万円のカメラを購入して10年間使い、そのカメラが2万円で売れたとしよう。いくらたくさんのフィルムを写そうが、ろくに使わないで戸棚のなかに眠らせておこうが、10年間で8万円を償却したわけだ。1年間にすれば8000円ということで、年にフィルム10本を写したばあいは、1本当たり800円だが、二本しか写さなければ4000円にもついてしまう。36枚撮りのカラーフィルムを写し、同時プリントでサービス判のプリントを頼んでも2000円でお釣りがくるのに、償却費を入れれば1本6000円近くについてしまう。――本書より
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目次
●写真への道
写真の楽しみと評価/上手な写真・下手な写真
●何のためのカメラなのか
AEとAF/プロのレンズ・アマのレンズ
●写しながら考えよう
フレーミングを考えよう/シャッターチャンスを考えよう
ライティングを考えよう/露出はこれで決まる
●写真を撮る
記念写真と記録写真/ストロボ撮影のテクニック
接写のすすめ/組写真へのアプローチ
書誌情報
紙版
発売日
1982年06月18日
ISBN
9784061456563
判型
新書
価格
定価:726円(本体660円)
通巻番号
656
ページ数
213ページ
シリーズ
講談社現代新書