
個性と適性の心理学
コセイトテキセイノシンリガクコセイヲイカシテキセイヲノバス

個性的に生きている人にはかがやきがあり、適性に合った仕事にうちこむ人には自信と喜びがある。しかし、個性も適性もあらかじめ知ることはむずかしい。生まれつきの素質や育てられ方をもとにしながら、自らの意志や努力で伸ばしうる要素も大きいのである。職業選択にあたっては、だれもが、好きな仕事、自分に向いた職業は何かを模索しながら、迷う。本書は、適性はどのようにしてはかれるか、伸ばせるか、好き嫌いで評価はどう変わるか、人間関係において個性はいかに表現されるかなどを考察しつつ、自分らしさを望ましいかたちで、発揮する道を採る。
個性をつくる――ひとりひとりの人を特徴づけている個性とか性格といわれるものは、生まれつきの個人差もあるが、生後の環境、とくに親にどのように育てられたかによってつくられるところが大きいものである。しかし、個人の心理的諸特徴は、ただ素質とか親の育児態度によって受動的にのみつくられるものではない。自分自身の自覚に基づく能動的かつ積極釣な努力によって、自分をつくっていくことも、可能であるし、また自分の中に現在すでに存在している特徴を否定して、新たに望ましいと思う特徴をつくっていくことも可能なのである。――本書より
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目次
●個性と適性
●職業と適性
●適性をはかる試み
職業興味検査/間接的関連性をはかる
●知能と適性
●人間関係と個性
個性と親の発達期待/「ユニークさ」のテスト
●外見からの人間の評価
●自分自身を知るために
他者との心理的距離/個性の把握
書誌情報
紙版
発売日
1984年09月18日
ISBN
9784061457447
判型
新書
価格
定価:694円(本体631円)
通巻番号
744
ページ数
195ページ
シリーズ
講談社現代新書