
チームワークの心理学
チームワークノシンリガク
- 著: 国分 康孝

職場の中で、クラスの中で、またクラブの中で、1人の人間がいくつもの集団に属する機会の多い今日、チームワークの原理を知らずして、集団目標達成は困難である。「仲間」から「組織」まで、集団になじむためのソーシャル・スキルとはなにか。集団目標から逸脱しやすいP偏向、A偏向、C偏向のワンパターン人間をどう克服するか。属する集団との対決、さらには訣別する場合の条件とはなにか。人とチームを組み、チーム内で自己を発現させつつ、根本にアイネス(個)の思想を保持する方法を探る。
私心を去れ――チームワークとは自分の属する集団の目標達成のために、各自が黙々と自分の任務を遂行している状況のことである。仲間とけんかしてもよい。要は自分のなすべきことをきちんとすることである。それがチームワークである。たとえていえば、夫婦げんかが続いているときでも、1人は朝食を作り、他は外に稼ぎに出かけるのがチームワークである。人の和があり、なおかつチームワークがあればそれにこしたことはない。しかし、人の和があつても必ずしもチームワークがよいとは限らない。――本書より
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目次
●チームワークの原理
●グループになじめない心理
ソーシャル・スキル/パーソナリティ
●仲間はずれのメカニズム
スーパーエゴ軽視/契約の精神
●仲間との訣別と対決
●チームワークのための教育
●袖触れあうも多生の縁
●グループのなかのアイネス
集団への同一化とアイデンティティ
書誌情報
紙版
発売日
1985年10月17日
ISBN
9784061457911
判型
新書
価格
定価:704円(本体640円)
通巻番号
791
ページ数
190ページ
シリーズ
講談社現代新書