
マイページに作品情報をお届け!
少年H(下)
シヨウネンエッチ

読み終わるのがおしい面白さ!
なんで、そうなるんや!
新聞も、大人も、だれもほんとうのことをいわない、そしていえない。それが「戦争」なのだ。そして敗戦。Hが見たものは……。
中学校の軍事教官ににらまれ、殺されそうになったHは、教練射撃部に入部し、難を逃れようとする。その後、戦火はいよいよ身近にせまり、米軍の空襲は日本全国におよぶ。
ある夜、ついに神戸が大空襲を受け、Hと母は、爆弾の雨の中を逃げまどう……。昭和20年8月15日、日本は敗戦を迎え、そこでHが見たものは!
学校の廊下にも“海軍兵学校”や“陸軍士官学校”への受験を勧めるポスターが貼ってあった。その横に“鬼畜米英・撃ちてしやまん”の大きなポスターも並んでいた。
「米英の音楽も禁止になったけど、敵の言葉を中学で教えているのは理屈にあわん”ということで、とうとう英語の授業がなくなるらしいぞ」(中略)
松本先生が教室のドアをまだ閉め切らないうちに、2、3人の生徒が、「英語の授業がなくなるというのは本当ですか?」と口々に聞いた。
書誌情報
紙版
発売日
2002年06月20日
ISBN
9784061485914
判型
新書
価格
定価:792円(本体720円)
ページ数
464ページ
シリーズ
講談社青い鳥文庫
初出
1997年1月に小社より単行本として刊行、1999年6月に講談社文庫として刊行。