人体の不思議

人体の不思議

ジンタイノフシギ

講談社現代新書

30兆もの細胞がネットワークを形づくる人体は、もっとも身近なワンダーランド。脳の前進基地としての眼、舌をかんで死ぬ時代劇の嘘、美女は頭蓋骨も美しい――など、不思議にみちみちたミクロコスモスに潜入し、その謎を探る。

ボディ・ウォッチング――心臓が左に偏っていることを知っている人は多いが、そのために、左肺が右肺よりも大分小さくなっていることまでは、なかなか気がつかない。その結果は気管支にも影響し、右気管支は左気管支に比べると、太くて短く傾きも急なので異物が誤って気管に入った場合、右の方に入りやすいという知識になると、さらに怪しくなる。私たちが毎朝鏡のなかで覗きこんでいる毛髪にも、あまり知られていない面が少なくない。髪がウエーブしすぎて悩んでいる人もいれば、立ちすぎて困っている人もあるが、このような毛の外観はその断面の形と深い関係がある。つまり、横断画の形が扁平なものほどウエーブしやすく、円形に近いものほどまっすぐになるのである。――本書より


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目次

●ワンダーランドヘの招待
●ミクロの世界の光景
●くちびるは粘膜ではない
●のどにも味覚がある
●小腸の総面積は1400坪
●右肺は左肺よりも大きい
●ホルモンとは「刺激する」という意味
●骨の数には個人差がある
●飲みこむ時は16もの筋肉を使う
●血液は1分で全身を巡る
●血管の中に血管があ

書誌情報

紙版

発売日

1986年08月19日

ISBN

9784061488250

判型

新書

価格

定価:704円(本体640円)

通巻番号

825

ページ数

204ページ

シリーズ

講談社現代新書

著者紹介