
自己抑制と自己実現
ジコヨクセイトジコジツゲンガマンノシンリガク

待つ、耐える、粘る、頑張る……。いきすぎた「がまん」は、こころの歪みやねじれをもたらす。一方、エゴ抑制の習慣がなければ、人間らしく生きていくことはできない。「がまん」=自己抑制のメカニズムを解き、その活用法をとおして、ストレス時代の「自己実現」を考える。
主張上手は我慢上手――なまじロを開けば災が起こる。私たちがここで考えたいのは、「物言えば唇寒し」とひたすら我慢を決め込むのではなく、かといって「物言はぬは腹ふくるる」とばかり、相手かまわず事情も言い方も考えずに言いたい散題を言うのでもなく、相手の立場を考えて効果的に言いたいことを言う、その言い方についてである。主張上手になることは、我慢上手になることに通じる。――本書より
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目次
「我慢」は「高慢・強情・入墨」のこと!?
●消費時代に生きる我慢
なぜ圭張してはいけないの?/パフォーマンス世代の登場
●我慢と心身の反応
ある中間管理職の憂鬱/安心の中に不安を埋め込む
●我慢を生む脳の働き
心をつかさどる三重構造/我慢で前頭葉を鍛える
●我慢上手になる方法
「三十分、三十分、とりあえず三十分」/苦い薬は砂糖に混ぜて
●我慢を学ぶ
禅寺のショック療法/空想から自己抑制ヘ
書誌情報
紙版
発売日
1987年01月19日
ISBN
9784061488434
判型
新書
価格
定価:694円(本体631円)
通巻番号
843
ページ数
212ページ
シリーズ
講談社現代新書