はじめてのジャズ

はじめてのジャズ

ハジメテノジャズ

講談社現代新書

ニューオーリンズ。場末のカフェの熱狂から、より楽しくより美しくを目指し、愛すべき偏屈たち(ジャズメン)独自の音作りが始まった。ディキシーもビ・バツプもみずみずしい魂のひとしずく。ジヤズの流れをたどり、必聴の名盤50を紹介。

シカゴでジャズはジャズになった――フランス語を日常会話としていたニューオーリンズの白人社会でのうわさ話とか、くだらない話、という意味のJASERがJASSになり、やがてはなまってJAZZになったとか、それはうわさ話どころではなく、今でいうFUCKのような意味で、白人が黒人のことを軽蔑してそう呼んだことからきた、とかいわれるが、シカゴでこうしたディキシーランド・バンドの演奏を聴いていた酔っぱらいが興奮して、当時のギャングたちのひわいなスラング“Jass it up”を突然叫んだから、というのが、中でもジヤズの雰囲気を伝えるエピソードとしておもしろい。「よー、すげえぞー!」とでも本人はいったつもりだろうが、これもまた歴史である。――本書より


  • 前巻
  • 次巻

目次

●ジャズ・ジャイアンツの輝く個性
いつも時代をリードするマイルス・デイヴィス
●ジヤズはどこで生まれたか
天然の良港ニューオーリンズ
●モダン・ジャズの時代
ビ・バップの誕生
●咲き乱れるモダン・ジヤズの花
真夏の夜のジャズ
●円熱(モ-ド)から拡散(フリー)ヘ
●エレクトロ二クスがジャズを変えた
●聴いておきたい名盤50

書誌情報

紙版

発売日

1987年07月17日

ISBN

9784061488632

判型

新書

価格

定価:792円(本体720円)

通巻番号

863

ページ数

220ページ

シリーズ

講談社現代新書

著者紹介