
うそとパラドックス
ウソトパラドックスゲーデルロンリガクヘノミチ
- 著: 内井 惣七

犯人のうそを見破る刑事。相手の次の一手を読みぬく棋士。理の積み重ねが難問を解きほぐす。論理学は人間にのみ許された知的なゲームである。推理の楽しさを紹介し「ゲーデルの定理」まで解説。
(2)この文は偽である。もちろん、(2)の「この文」は(2)自身を指すと理解します。さて、(2)
は真でしょうか。偽でしょうか。もし真だとすれば、(2)の文の言っていることは正しいわけですから、(2)は偽となります。つまり、(2)を真と仮定して偽となりましたから結論として(2)は偽です。しかし、(2)が偽なら、(2)の言っていることは本当になりますから、(2)は真となります。かくして、(2)は偽でありかつ真となり、これは明らかに矛盾です。――本書より
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目次
●ロンリー警視から読者ヘ
●誰の写真や、誰の声や、ホンマに?
●かい人21面相異聞
●逆は必ずしも真ならず
●弘法にも筆の誤り
●人間と機械
●シロ(潔白)かクロ(有罪)か
●ヨミ、感覚、ヒラメキ
●井上ひさしの「國語元年」
●正直者とうそつき
●ゲーデルの島
書誌情報
紙版
発売日
1987年12月16日
ISBN
9784061488816
判型
新書
価格
定価:770円(本体700円)
通巻番号
881
ページ数
232ページ
シリーズ
講談社現代新書