
俳句の上達法
ハイクノジョウタツホウ

季節感をとらえる最適な季語は何か?どうすればううまく主題を伝えられるか?調べを整え、句の味わいを深めるにはどうするか?三百余りにおよぶ例句を題材に、具体的な添削と批評を加えながら、初心者がぶつかる実作上の悩みにアドバイス。ゆるぎない完成をめざすための秘訣集。
正しく伝達するために――初心者の句には、意味がさっぱり分からないものから、意味は何となく分かるものの、もう一つ痒いところに手が届かないものまで、さまざまある。適切・正確な表現を欠くからであろう。ところで芭蕉の有名な句に――
此の道や行く人なしに秋の暮 芭蕉
秋の暮にふさわしい孤独感・寂寥感が切々と胸を打ってくる句で、「此の道」はわが行く道、芭蕉の志す俳諧の道をも思わせる。この句とともに――人声やこの道かへる秋の暮 を人に示し、どちらがよいかと問うて「此の道や」がよいことになつたと『笈日記』に配している。――本書より
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目次
●季語の選択
●季節感の働き
同じ季節の場合/違う季節の場合
●分かってもらえるか
正しい用語を使う/曖昧な内容を避ける……
●主題を定める
一人合点を避ける/無駄を省く……
●内容に合う形式
●調べを整える
●句を深める
●ゆるぎない完成をめざす
書誌情報
紙版
発売日
1988年01月18日
ISBN
9784061488823
判型
新書
価格
定価:770円(本体700円)
通巻番号
882
ページ数
220ページ
シリーズ
講談社現代新書