ゾロアスタ-の神秘思想

ゾロアスタ-の神秘思想

ゾロアスターノシンピシソウ

講談社現代新書

鳥葬と近親婚。火と闇の宗教。アフラ・マズダーとアンラ・マンユの徹底した善悪二元論の展開。神秘の宗教・ゾロアスター教の秘儀と思想を解説しつつ、現代思想に与えた影響をさぐる。

「善の戦士」への加入儀式―――我々人間が、アフラ・マズダーにより創造されたものであるとする信仰は、ゾロアスター教徒にとり、どのような意味をもつのであろうか。それは、入間の本性が善であることを証すにとどまらない。さらに、人間はアフラ・マズダーの軍団に参加し、悪と戦わなくてはならない。なぜなら、アフラ・マズダーの創造は、アンラ・マンユに対抗してなされたのであり、それにより世界から悪を放逐し、善を完全とすることにあったのだから。ゾロアスター教徒の共同体に正式に加入を認められるには、ナオジョテと称される儀式を受ける必要がある。これは、アーリア人の古い伝統に基づくものとされ、バラモン教の入門式に対応する。そして現在では、もっぱら教徒の子弟に限って行われ、異教徒や外国人には許されない。また、15歳になるまでに、この儀式を受けなくてはならない。――本書より


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目次

●ゾロアスター
誕生から啓示まで……伝道の成功と昇天
●光と闇の二元論
思想の根底……人間の生き方
死後の世界
●東西宗教への影響
最後の審判と救世主……天使と悪魔
大乗仏教から密教ヘ
●秘教の伝統――ゾロアスター教と神秘主義
異端の哲学者……神智学協会
輪廻転生説……占星術的マンダラ

書誌情報

紙版

発売日

1988年02月17日

ISBN

9784061488885

判型

新書

価格

定価:726円(本体660円)

通巻番号

888

ページ数

198ページ

シリーズ

講談社現代新書

著者紹介