
退却神経症―無気力・無関心・無快楽の克服―
タイキャクシンケイショウムキリョク・ムカンシン・ムカイラクノコクフク

几帳面なビジネスマンの不可解な無断欠勤。昇進をまえにしての失踪。優秀な学生の長期留年。無気力な現実逃避……。これまでの神経症にはない“奇妙な心の病”がふえている。何が彼らをそうさせるのか?隠された心のダイナミックスに分析のメスを入れる。
新しいタイプのノイローゼ――勇敢だった人の退却。元気だった入の無気力。真面目人間におこる不真面目――そういう逆説の目立つこのノイローゼ、たぶん昔もあったのだろうが、少なくとも正面きっては取り上げられなかった。ひと昔前なら、たぶん“怠け者”として一括され、それでおしまいだったのかもしれない。ひと昔前どころか、今でもそうかもしれない。精神科医でもまだこういう不適応状態をみたことがないという人が少なからずいるはずである。それはその精神科医の責任ではない。この神経症の人は、一般的にいって、自分から積極的な治療を求めて医師やカウンセラーを訪れないからである。――本書より
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目次
●“産業戦士”たちのストレス
●入社まもなくの欠勤多発
●10年目のアブセンティーズム(欠勤症)
●うつ病VS退却神経症
●スチューデント・アパシー現象
●「空しい」という感覚
●登校拒否する子供たち
●無気力生徒の現状
●高学歴女性のアパシー
●無気力・無関心・無快楽の克服
●治療と予防への提言
書誌情報
紙版
発売日
1988年05月18日
ISBN
9784061489011
判型
新書
価格
定価:726円(本体660円)
通巻番号
901
ページ数
230ページ
シリーズ
講談社現代新書