密教 悟りほとけへの道

密教 悟りほとけへの道

ミッキョウサトリトホトケノミチ

講談社現代新書

深い精神集中によって宇宙の真理を体得する「阿字観」瞑想法や、神秘の炎に祈願をこめる「護摩」の行法。ほとけを供養する数々の秘儀・秘法。聖なるほとけと俗なる身の合一をめざす、密教思想と実践の世界へ、読者を誘う入門書。 “聖俗合一”の境地をぬざす――日本密教の基本は、われわれは本来さとりの可能性をもっているという《本覚思想》を特徴とする《現世成仏思想》にあるといえる。すなわち、ほとけに代表される聖なるものと、われわれのような俗なるものが、何らかの状況下において合一しうるとする神秘主義の一種である。これは、筆者の言葉でいえば、聖と俗という元来次元の異なるものの関係であり、ベクトル的にいうと、垂直方向をもった構造である。そして、その垂直の関係が、可能性としては必ず結びついて成り立っていると確信するのが密教の信仰である。――本書より


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目次

●密教の不思議な魅力 ●流伝の道をたどる ●日本密教の成立と展開 ●「即身成仏」とは何か? ●「密厳国土」とは何か? ●聖俗一致の実践行法 ●ほとけたちのパンテオン ●マンダラ世界への誘い ●荘厳華麗な造形美術 ●聖地・霊場の巡礼 ●現代に生きる密教

書誌情報

紙版

発売日

1988年12月15日

ISBN

9784061489264

判型

新書

価格

定価:770円(本体700円)

通巻番号

926

ページ数

236ページ

シリーズ

講談社現代新書

著者紹介