正常と異常のはざま―「境界線上」の精神病理

正常と異常のはざま―「境界線上」の精神病理

セイジョウトイジョウノハザマキョウカイセンジョウノセイシンビョウリ

講談社現代新書

心に重い問題を抱え、精神的な健康と不健康の境界線上をさまよう人びとが増えている。苦悩を乗りこえ、健常な生活へと帰還する道しるべを提供する。

“境界不鮮明社会”の病理――最近の目まぐるしく変化する社会では、大人と子供、男性と女性、世代間の境界、社会的な役割、仕事と遊び、そして季節や昼夜など、ありとあらゆる面で”境界の不鮮明化”が起こり、正常と異常の区別がわからなくなっている。そのために、異常現象や心の病気が急激に増えているのである。こういう正常と異常のはざまについては、これまでにもたびたび論じられ、まさに20世紀後半における精神医学の中心テーマとなっていた。そこで、本書では、原点に戻って、現象的にも、病理的にも共通する「境界線」という視点を導入することで、正常と異常のはぎまを総括的に理解し、それぞれにある微妙な鑑別点や、本来の発達をベースとする治療的アプローチ、家族や周囲の者の留意点などについて述ベてみた。――本書より


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目次

●“境界不鮮明社会”の病理
●若者時代の延長化
●「青春期境界線症候群」
●境界線上の性と愛
●境界線上の生と死
●「大人」になれない大人たち
●発病のメカニズムと素因
●異常から正常への帰還を求めて
●良好サイン・不良サイン
●「育てなおし」という治療

書誌情報

紙版

発売日

1989年04月20日

ISBN

9784061489455

判型

新書

価格

定価:748円(本体680円)

通巻番号

945

ページ数

248ページ

シリーズ

講談社現代新書

著者紹介