
輪廻と解脱
リンネトゲダツクカイカラノダッシュツ

六道をさまよいながら永劫の転生を続ける人間。煩悩と苦しみに満ちた“迷いの世界”を脱けて、平安な“悟りの世界”にいかにして到達するか。古くて新しい仏教思想の核心を平明に解説する。
カバー絵「熊野観心十界図」(岡山・武久家蔵)解説――通常、地獄極楽図といわれるものの一つ。虹の架け橋様の半円弧は人生の坂道を表わし、人生の坂道を下り終えた人は、閻魔王の法廷で裁きを受ける。その下には、地獄・餓鬼・阿修羅の凄惨な世界が描かれる。画面のほぼ中央には、賽の河原に立って小児を導く地蔵がおり、その上方には、法会の卓と僧たちの姿、その右に、雲上の如来とそれを拝する僧、さらに卓の上方に、雲上の阿弥陀三尊や菩薩などが描かれている。
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目次
●宇宙の生成と個人の“業”
●“因縁生起”の思想
●三世両重の因果
●“四苦八苦”の世界
●地獄・餓鬼・畜生の“三悪道”
●人間界と天上界の真実
●“五戒”と“六波羅蜜”
●因果応報と自業自得
●極楽とはどんな世界か
●死者儀礼と先祖供養
●生き続ける仏教思想
書誌情報
紙版
発売日
1989年06月16日
ISBN
9784061489530
判型
新書
価格
定価:726円(本体660円)
通巻番号
953
ページ数
202ページ
シリーズ
講談社現代新書