自己愛とエゴイズム

自己愛とエゴイズム

ジコアイトエゴイズム

講談社現代新書

自分を愛さない人間が人を愛せるだろうか。自分を信じない人間が人を信じられるだろうか。家族、友人の港へ向けて大海を漂う小舟である自分。ロンリネスの淵に沈まぬよう真の自己愛が針路を示す。自己の自立への道を提示。

人の成功を喜べない――ナルシストは下からおとなしく自分を認めてくれる人とか、尊敬してくれる崇拝者とか、かわいらしく頼ってくれる人とかに対しては、非常に優しい。ところが、実力で対等な立場をとろうとする人間、あるいは、自分より上に上がった人間に対しては、別人と思われるほど厳しい態度をとる。つまり、自分が影響を及ぼす範囲の外へ一歩でも踏み出す子分は、許せない裏切り者になるのである。したがって、その瞬間から、ナルシストはその裏切り者をじわじわと押しつぶす計画を企て実行にかかるのである。――本書より


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目次

●自己愛はナルシシズムではない
 愛するつもりで利用する
●自己犠牲と自己主張を含む自己愛
 港は幸せである
●良心の声に忠実である自己愛
 良心とスーパーエゴ
 良心の声を乱すストレス
●自分であること
●精神的な根
●沈黙の中の充実した孤独

書誌情報

紙版

発売日

1989年06月16日

ISBN

9784061489554

判型

新書

価格

定価:726円(本体660円)

通巻番号

955

ページ数

216ページ

シリーズ

講談社現代新書

著者紹介