
進化を忘れた動物たち
シンカヲワスレタドウブツタチ

古代大陸生まれの原始猿や絶滅した恐龍族の血をひくドラゴン。地球に残された貴重な密林に高山に深海にひっそり生き続ける「進化の生き証人」たちをたずねる。
手抜き子育ては天下一[ツパイ]――飼育下の母親は、自分のとは別の巣で子どもを産むと、二日に一度しか授乳に訪れない。……しかも5~10分もするとサッサと帰ってしまう。掃除もしていかない。排泄物の世話をしないのだ。子どもは巣に1ヶ月もいるのだからたまらない。赤ん坊が尿と糞にまみれ、しかも飢えているのを想像すると忍びない。……子どもが巣立つまでの間に、母と子が一緒にいるのは、合計してもせいぜい1時間半である。スキンシップが霊長類の特徴の一つならば、「ツパイよ、それでもサルか」と言いたくなる。――本書より
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目次
●失われた世界に棲む謎の動物
虹と共に現れるモケレ・ムベンベ
●生きている化石たち
流人の島の「人食い竜」[コモドオオトカゲ]
鳥か獣か爬虫類か?[カモノハシ]
パラレル・ワールドを創り上げた有袋類[ブーラミス]
「ゴンドワナ大陸」の生き証人[キツネザル]
サバンナに巣くう穴堀り名人[ツチブタ]
●行方を絶った進化の生き証人
ミロドン/タスマニアオオカミ/ステラーダイカイギュウ
進化を忘れた動物「ヒト」は何処へ?
書誌情報
紙版
発売日
1989年08月18日
ISBN
9784061489615
判型
新書
価格
定価:855円(本体777円)
通巻番号
961
ページ数
218ページ
シリーズ
講談社現代新書