百人一首の謎

百人一首の謎

ヒャクニンイッシュノナゾ

講談社現代新書

なぜ、百人一首とよぶのだろうか。「紅葉」「白菊」「舟」「濡れる袖」……繰り返されるシンボリック・ワードに密かに隠されたメッセージとは何か。定家の組みたてた暗号を解き「百人一首」撰歌の謎に迫る。

撰歌の疑問――中世依頼の伝承では、『百人一首』は定家が撰び、小倉山の山荘に書きおいた色紙の和歌であると伝えられてきた。どういう基準で歌人を選んだのかということについて、「百人一首抄」は「不審のこと」とし、定家もその撰に加わった『新古今集』が定家の本意に適わなかったので、「『百人一首』は定家が実を根本に花を加えるという歌の理想を示したものである」と述べている。表現は抽象的だが、『百人一首』が通常の秀歌撰ではないということは、はっきりと述べている。――本書より


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目次

●「クロスワード」と「暗号」
●なぜ百人「一首」なのか
●「百人一首」は秀歌撰か
●「蘆の節の間」と「観察」
●桜の歌 紅葉の歌
●逢坂と難波の対応
●異常な「百人一首」の配列
●「色紙」の意味
●風鎮めの願望
●秘められた恋
●白菊が意味するもの

書誌情報

紙版

発売日

1989年11月15日

ISBN

9784061489752

判型

新書

価格

定価:726円(本体660円)

通巻番号

975

ページ数

196ページ

シリーズ

講談社現代新書

著者紹介