
大恋愛
ダイレンアイジンセイノケッショウサヨウ

身を焦がす恋。他人の眼を避ける愛。一目惚れ・片想いから三角関係・心中まで、自由と束縛のなかで、恋愛は男と女を狂わせる。映画、小説、演劇などをとおし、マニュアルでは決して事の運ばない不思議な感情の森に誘う。恋愛という人生の「事件」を鮮かに抉った快著。
いまこそ、恋愛の時代――「恋愛」とは、ハンパな行為ではない。一つ間違えば、死ぬか生きるかという問題にまで発展する。「暇つぶし」だとか、自分の寂しさを紛らわすための「ゲーム」だと侮ると、大怪我をする。この感情が高揚すると、自分の力だけでは思うようにコントロールできなくなるからである。「魔に憑かれた」としか説明できないことも多々起こるのだ。さらに、つきつめれば、当事者たちの人間そのものの完成度が問われることにもなりかねない。だから恋愛は怖いのである。いま改めて「大恋愛」について考えるのは、昔に帰れと言うためではないのである。むしろ、いまこそ、恋愛の時代だと、ぼくには思えるからである。「大恋愛」に強く憧れて、過去の「恋愛」について、考えてみたくなったのである。――本書より
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目次
●世紀の大恋愛
●「恋愛」とは、なにか
●初恋・純愛・一目惚れ
●危ない恋愛・危険なかおり
●突然炎のごとく
●ブーメランの恋
●「逃げ去る恋」をつかまえろ
●「あいびき」の三角関係
●無償の愛
●「恋愛」のすすめ
●マニュアル化された世代に
書誌情報
紙版
発売日
1990年01月17日
ISBN
9784061489820
判型
新書
価格
定価:694円(本体631円)
通巻番号
982
ページ数
214ページ
シリーズ
講談社現代新書