
地球=誕生と進化の謎 最新地球学入門
チキュウ=タンジョウトシンカノナゾサイシンチキュウガクニュウモン

微惑星の衝突が水惑星を生んだ……。世界中に衝撃をあたえた松井理論。「暗い太陽のパラドックス」「非均質集積論」「低質量モデル」などの最新キーワードによって、太陽系文明への扉をひらく、新しい“地球学”を提唱する。
異常な事が起こりつつある――日常我々は、地球を意識することなく生きている。我々にかぎらず生命はすべてこの地球から生まれたのであるから、これはある意味で当然のことといえる。地球の営みのなかに組みこまれて人類が生きているかぎり、地球のことなどとりたてて意識する必要はないのが普通である。したがって、現在のように人類が地球のことをことさら強く意識するというのは、何か異常な事態が起こりつつあることを意味する……地球環境問題を考えることは、文明の本質を問うことであり、人間のレゾンデートルを問うことであり、太陽系では生命の住む唯一の惑星である地球の起源と進化を明らかにすることである。地球と人類とのつきあい方を探るには、これらを総合的に論じなければならない。それは、宇宙論的な時空スケールで地球と人類の存在を考えることであり、現代を分析することである。――本書より
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目次
●“地球学”が求められている
●ぬいめのない織物
●ミランコヴィッチ仮説
●金星に恐龍はいたか?
●海はいつから存在するか
●大気はどのようにしてできたか
●マグマの海と原始大気
●火星には川があった
●クレーターはどうしてできたか
●地球システムの科学
●物理法則が先か宇宙が先か
●旅立つ人類
書誌情報
紙版
発売日
1990年06月12日
ISBN
9784061490062
判型
新書
価格
定価:726円(本体660円)
通巻番号
1006
ページ数
222ページ
シリーズ
講談社現代新書