マフィア・その神話と現実

マフィア・その神話と現実

マフィア・ソノシンワトゲンジツ

講談社現代新書

秘密の入会儀礼。鉄の規律。ゴッドファーザーと「名誉ある男」たちに率いられ、「沈黙の掟」によって守られた謎の組織=マフィア。麻薬、闇賭博、売春など、血と暴力が支配する一大犯罪シンジケートの恐るべき実態に光を当てる。

麻薬とマフィア――麻薬の世界では、現在、世界に三つの大組織があるという。コロンビアの麻薬カルテル、ヘロインを密売する中国の犯罪組織、そしてイタリアのマフィアである。この三つの組織の中で、マフィアは際立って優位を占めている。他の二つが一種類の麻薬しか扱えないのに対して、マフィアは両方を扱え、しかもアメリカやヨーロッパに確たる販売網を持っているからだ。マフィアは80年代前半の捜査当局の弾圧をはね返し、80年代後半に不死鳥のように復活した。捜査当局はマフィアにより劣勢に追いこまれている。80年代は麻薬によるマフィアの大飛躍期であった。そして90年代にむけて、マフィアはさらにその力を伸ばそうと、虎視耽耽と狙いを定めているのだ。――本書より


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目次

●麻薬ビジネスと現代マフィア
●シチリア・マフィアの誕生
 初期「農村マフィア」の実像
 イタリア社会に食い込むマフィア
●海を渡ったマフィア
 犯罪組織「マーノ・ネーラ」
 アル・カポネと禁酒法時代
 ラッキー・ルチャーノによる“近代化”
 アメリカ・マフィアの興亡史
●ナポリのマフィア「カモッラ」
●誘拐マフィア「ヌドランゲタ」
●80年代のイタリア・マフィア

書誌情報

紙版

発売日

1991年02月18日

ISBN

9784061490413

判型

新書

価格

定価:726円(本体660円)

通巻番号

1041

ページ数

232ページ

シリーズ

講談社現代新書

著者紹介