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はじめてのドイツ語
ハジメテノドイツゴ
- 著: 福本 義憲

ドイツ語は明快な詞。綴りと発音のシステム、名詞・冠詞・形容詞の対応、単語や文章のもつ、堅固で自在な「枠構造」。ほどよい文法秩序に示される、ドイツ語の正性格構造的に理解する。
集合名詞Volkの力――1989年12月のベルリンの壁崩壊のわずか2ヶ月前のことですが、ライプツィッヒで民主化を要求する大規模なデモ行進が起きました。このとき掲げられたスローガンが、Wir sind das Volk.(我々が人民だ)でした。……Wir sind~という表現は、官憲が威嚇的にみずからの所属や権威を明らかにするときに使われるものです。かつて旧東ドイツを車で旅したとき、突然、何人かの警官に取り囲まれて、Wir sind die Volkspolizei.「人民警察の者だが」という言葉を突きつけられたことがあります。単に運転免許証の提示を求められたにすぎないのですが、これはこれで、相当に恐ろしい体験でした。民主化要求デモのWir sind dos Volk.は、その言い方を逆手にとったものです。それだけに、この表現には想像以上の迫力があったのです。――本書より
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目次
●「ダス アルファベート」30字
●3つの「ウムラオト」
●イッヒ・ラオトとアッハ・ラオト
●フェミニズムが生んだ女性形“-frau”
●人称変化はまず「襷がけ」で
●すべては定冠詞の格変化から
●形容詞はそのままで副詞!?
●ヴァレンツでとらえる語順の自由
●否定疑問文と「反論のdoch」
●ドイツ語の「副文嗜好症」
●「枠構造」とは?
●「命令」「予告」「宣言」も未来形で
●habenは動作の過程、seinは変化の結果
●書き言葉の過去、話し言葉の現在完了
書誌情報
紙版
発売日
1991年10月16日
ISBN
9784061490734
判型
新書
価格
定価:1,078円(本体980円)
通巻番号
1073
ページ数
284ページ
シリーズ
講談社現代新書