青年期の心-精神医学からみた若者

青年期の心-精神医学からみた若者

セイネンキノココロセイシンイガクカラミタワカモノ

講談社現代新書

子どもからおとなへの過渡期……友達に囲まれ明るく過ごすこともあれば、自己を見失い、深刻な悩みの淵におちこむケースもある。親―子、自―他、愛―性……多様な課題をはらむ現代の青年の内実を、心理・病理の面から考察。

モラトリアムを楽しむ――高学歴化や管理社会化がすすんだにもかかわらず、若者たちはきわめておとなしく扱いやすくなったように見える。青年たちはもはや、こうした状況に異議申し立てをしようとはしない。かれらは、あまり早くおとなになろうとはせず、むしろ長くなったモラトリアムを楽しんでいるようにも見える。放送世論調査所の調査によると、中学高校生の多くは、「あまり早くおとなになろうとは思わない」と答え、その理由として、「おとなになることがなんとなく不安だから」「子どもでいる方が楽だから」などという理由をあげている。こうした変化にたいして、〈青年の幼児化〉という指摘がなされている。しかし、重要な点は、社会のしくみに若者のパーソナリティが適合してきた結果と見ることができる。――本書より


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目次

●青年期という病
●青年期とは
●思春期の危機
●依存と反抗
●人と人のかかわり
●愛と性
●自分とは何か
 アイデンティティ
●個性・性格・性
●神経症と精神病
●イメージ世代
 温室育ちのお人よし

書誌情報

紙版

発売日

1992年01月16日

ISBN

9784061490833

判型

新書

価格

定価:814円(本体740円)

通巻番号

1083

ページ数

262ページ

シリーズ

講談社現代新書

著者紹介