
フロイト以後
フロイトイゴ

精神分析学は1つの思想である。心の療法から出発し、人間探求に向かう冒険的な試み。原点フロイトを押さえユング、アードラーの深層心理学から、ラカン、ドゥルーズなど現代思想に至るフロイト以後の流れをえがく。
思想としての精神分析――フロイトをはじめ、精神分析的思想家の書いたものは広く一般に読まれている。それにまた、精神分析にたいして「面白そう」と感じることは、表面上はたんなる知的興味のように見えても、じつはその背後にその人の深刻な悩みがあるかもしれない。だから、ここでもまずは「面白そう」といった好奇心から出発したいと思う。(中略)精神分析学は、精神療法であると同時に、健康・不健康を問わず、人間の心理というものを解明しようとする1つの科学であり、さらには「人間とは何か」という古来の哲学的な問いにたいして答えようとする1つの思想でもある。いわゆる現代思想に親しんでいる人は、そのいたるところでフロイトの名に出会っているはずだ。フロイトの影響をまったく被っていない思想家・哲学者など一人もいないのではないか、と思われるくらいである。――本書より
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目次
●誰にも見えないものを見る
●メスメルの動物磁気説
●フロイトは無意識の発見者か
●夢理論
●フロイトの欲動論
●心の構造
●深層心理学きビック・スリー
●精神分析とマルクス主義
●自我心理学・対象関係論・現存在分析
●構造主義と精神分析
●クリステヴァとバフチーン
●オイディプスの可能性
書誌情報
紙版
発売日
1992年04月16日
ISBN
9784061490949
判型
新書
価格
定価:726円(本体660円)
通巻番号
1094
ページ数
212ページ
シリーズ
講談社現代新書